緊張のスピーチ

披露宴は式場に程近い広い庭のあるレストラン。晴れていれば芝生の庭で存分に楽しめそうなところだったけど、雨に洗われた緑がなかなか美しい庭だった。それにしてもついつい人の結婚式に呼ばれていても自分達の場合と比べてしまってよくない。この日も出席者リストを覗き込んで、親戚が何割、会社が何割、とついついチェックしてしまった。自分達の人数比率が心配な証拠だ。

実は披露宴の後半でテーブルスピーチの一人として何か話してもらうよう依頼を受けていた。親戚は固い人が多いのでおもろいネタやってもうけへんで。というのが事前の注意事項。おもろいネタ専門の僕の機先を制する注意だった。

これには大いに頭を悩ました。まじめな話かあ。どうせするのなら二人を大いに泣かすような名言を・・・。と一週間くらい考えて、大学時代に新郎から言われたある言葉とエピソードを紹介することにした。いざマイクが回ってくるとなかなかに緊張したけど、なかなかいいできだった。先輩や向こうの親族からも誉められた(親族は礼儀として誉めたのかも)。人前で話すのは苦手だけど、こうして誉められることはめったにない。久々にいい気分になった。