散歩のコツ

遥夏チンと散歩コースを歩いていると、定期的にタタタッと前に回りこんできて「うー!!」(だっこしろ)と叫ぶ。これは日によって波があるようで、自分で歩く時は結構長時間でも歩くし、だめなときは全然だめ。が、最近の仮説検証アプローチの結果、好不調を引き起こすいくつかの要素があることがわかった。

長時間歩く時のポイントは下記の2点

  1. ライバルの存在
  2. お使いの時

1.ライバルの存在
人間誰しも多少の競争心があるが、それは1歳の幼時にとっても同じであるようだ。ただし彼女の場合、ライバルとは同じくらいの年の子供ではなく、イヌだった。ワンワンだ。彼女の散歩コースが位置する神田川近辺の遊歩道は、多数のイヌが散歩するコースでもある。で、散歩途中にたびたび顔をあわせるうちに、飼い主同士が仲良くなる一方で、イヌ同士も仲良くなっていく。同じ目線と同じくらいの身体能力を持つ彼女とイヌも自然と仲良くなる。が、同じくらいの身体能力というのは、裏返せばライバル同士ということ。

かくして、普段は「うー!!だっこ。」を連発する彼女も、ワンワンと同行して歩く時ばかりは、テクテクと自らの足でイヌと張り合うように歩くのだった。さらに、井の頭線を走る電車を見つけた時などは、ニョキッと右腕をまっすぐに伸ばし「ハッ!!」と緊張感のある驚きを全身で示すことで、イヌに対する自分の優位性を顕示したりもする。彼女が度々「ハッ!」と注意を促すことを繰り返すうち、周りのイヌたちも最近では電車に反応を示すようになったとの報告もあり、イヌと彼女は適度な緊張感を持ったまま、共に成長しているのかもしれないが、本当のところは余人にはうかがい知れない。親としては見守るしかない。

ちなみに、同じくらいの年の子供の前に行くと、いつもの積極性が影を潜めて、ひたすら「内気ないい子」を演じるところには変化が見られない。ここも親としては見守るしかない

2.お使いの時
人間誰しも多少の使命感があるが、それは1歳の幼児にとっても同じであるようだ。先日コンビニにカレー粉を買いに行って、その袋を彼女に持たせたところ、コンビニから家までの徒歩10分くらいの道のりの全工程を走破した上に、普段よりも遠回りする高度なルート設定をしてママを驚かせたという。これは興味深い発見だった。確かに以前も買い物の袋を渡した途端に、それを肩に引っ掛け、まるで買い物帰りのOLのような歩き方でスタスタ歩き始めた例があった。で、「その買い物袋よこせ」というと、すごく怒られる。まるで「この品物を運ぶことが私の使命である」とでも言いたげな、使命感に燃える青年の憤怒のようだった。

この要素が一時の気の迷いではなく、本当に持続性のある方法であるか検証するために、散歩のときに適当な袋に適当な品物を入れて渡してみた。

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DSCF3276 (C)ryos_cafe

確かに歩くには歩いたが。それよりも橋の下を泳ぐカモ君たちに目を奪われていた。

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DSCF3279 (C)ryos_cafe

寒中水泳なのか艦隊運動なのか不明だが、冬でもカモ君たちは元気だった。おいしそう、との説もある。

渡した袋の中身がモンチッチのぬいぐるみだったことも、彼女の意欲を低下させた原因かもしれない。が、この「お使いの時」手法は有望であると判断しており、今後も注意深く検証を続けたい。