イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

丸善で買い物した。

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

イノベーションの達人!―発想する会社をつくる10の人材

特徴的なデザインで知られる家電メーカーIDEOの経営者による本。前作発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法の続編という位置づけ。前作は読んでいない。

クリステンセン以降「イノベーション」という言葉の株がグッと上がって、最近ではどの本をめくってもイノベーション!変革!と威勢がいい。実際自分も普段の仕事で連呼していたりする。で、その方法論とか管理手法とかいかに根付かせるかとか、イノベーティブな企業になるための処方箋を何とかロジカルに導き出そうとしてはいる。

けど、ちょっとそういうの疲れたよね、とも思う。

なのでこの本を読んでみる。このIDEOという会社、もとはマックの製品のデザインなんかを手がけていたらしいんだけど、最近はそのクリエイティビティを他の会社にもコンサルティングしたりもしている。日本企業にも随分客がいるらしい。IDEOが教える「イノベーションを生む秘けつ」 - CNET Japan

で、この本の中身は「イノベーションを根付かせるにはやっぱり人が大事だよね」ということで、イノベーションに必要な10の役割を説いている。役割というのを「生まれ持った才能ではなく、そのキャラクターを演じればいいのだ」と言っていて、一人の社員がプロジェクトごとに違う役割を果たしてもいいとも言っている。こういうのが重要。

10のxxと言っても、アカデミックな分析に基づくわけではなく、あくまでもこの会社と著者の経験と勘による規定。こういうのも重要。なんかこの世界ってロジカルの見本市みたいになってるだけに、こういう視点はかなり頭のリフレッシュになる。

まだ途中までしか読んでないけど、冒頭の「天邪鬼(あまのじゃく)をやっつけろ」と言うあたり、パンチがあっていい。そうそう大きな会社の会議って必ずこの「天邪鬼」が潜んでいて、まだ生まれて間もないヨチヨチ歩きのアイデアに力一杯殴りかかって粉々にしてしまったりする。そういうの禁止。10の役割で天邪鬼を退治しよう。という話。