サブプライム

この数週間サブプライム云々と言う言葉が飛び交っているけど、昨日あたりついに爆発してしまった模様。

http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703140094.html

サブプライムというのは、金融機関が融資する際の信用の序列のことで、一番リスクの低いプライム層よりもリスクの高い層という意味らしい。で、その信用リスクがそこそこ高い人(ようは最近延滞したとか自己破産経験者とか)向けの住宅ローンがアメリカでは結構ボリュームがあった。そういう人々の返済が最近滞りがちになったことで、貸していたローン業者が資金調達できなくなったり、投資家から債権の買戻しを迫られたりして、債務不履行を起し始めた、というのが現状らしい。

アメリカの住宅ローンは融資した金融機関がそれを債権化して投資家にうりさばいている。なので貸し出した融資債権自体は投資家の手元にあるんだけど、この融資が焦げ付き始めたことで、サブプライムの業者だけでなく、投資銀行とかそのほかの投資マネーにも余波が広がっちゃっている。


サブプライム住宅ローン業者に不良化ローンの買い戻し迫る動き


さらに、アメリカの個人消費は、住宅を担保にして借り入れたお金が消費に回ることで保たれていたりする。金を借りて家を買ってそれを担保にさらに金を借りる・・・。という循環。

これってどこかで聞いた話。日本のバブル期の土地は上がり続ける、みたいな信奉に基づく行動。

今、それが崩れようとしているらしんだけど、この評価が楽観悲観で真っ二つに割れている。

楽観派は、「サブプライムは日本のグレーゾーン規制と同じようなもの。住宅ローンに占めるサブプライムの比率は10%程度なので、グレーゾーン債権に適切な引き当てをして、それなりに法規制を整えれば影響は軽微。実際アメリカ当局はすでにこの問題に対処済み」という考え方。

一方で「サブプライム業者は日本のバブル期の住専問題と同じ。ここが崩れると、信用収縮のスパイラルが始まってしまう。日本が不良債権のくびきに15年足をとられたように、アメリカ経済がこれから泥沼に陥ってしまう」という考え方。

どっちの認識が的を射ているのか判断が付かないけど、大きな分水嶺に差し掛かっているのは確かな気がする。上海市場が原因と言われていた、先月からの同時株安もどうやらこのあたりがケチの付けはじめだったのかも、という見方が強くなってもいる。

株に片足突っ込んでいる身としては、何とか楽観論で済みます様にと祈る気分。


日本の住宅ローン市場は?というと、あつものに懲りてなますを吹くが如く、安定した職歴と年収至上主義と相変わらずの担保主義が幸いして、幸か不幸か住宅ローンサブプライム市場というのはないに等しい。逆に、去年からぽつぽつ始まろうとしていた外資系ノンバンク+地銀によるミドルリスク層向けの住宅ローンは、出足からつまずいてしまった感じ。日本の硬直した住宅ローン市場が多様化するいいチャンスだったのに、当分凍結とかいうことになってしまうかもしれないのが残念。