パイオニア、プラズマパネル生産から撤退か

なんともはや。

パイオニア、プラズマパネル生産から撤退か - ITmedia NEWS

年初からのこの業界のスピード感には驚くばかりなんだけど、今回の話は結構複雑。
マーケット的には「当然」とか「遅いよ」と言う感じなんだろうけど。

イオニアは現在、42V型、50V型、60V型のプラズマパネルを生産し、自社の「KURO」ブランドで販売中。独自の電子発生源により予備放電(種火)を抑え、黒浮きの少ない高画質ディスプレイとして高い評価を受けている。

個人的にこの会社の知り合いがいるんだけど、なんとも魂のある会社だなと思っていた。コモディティと化しつつある薄型テレビの中で、昔ながらの「技術によるブレークスルー」にこだわっている会社、と言う印象。

報道によると、同社は自社技術を盛り込んだプラズマパネルの生産を松下に委託し、自社は組み立てに特化する方向で交渉しているという。

そんな会社の大事な技術が、よりによって松下の懐に収まるとは・・・。スバルがトヨタに支援を仰いだ時の気分を思い出した。

結局のところ、「技術によるブレークスルー」にこだわっている会社が、巨大資本がぶつかりあう体力勝負のディスプレイ市場に参入したこと自体が間違いだったよ、ってことだろうけど。

それにしても、今後組み立て業者として身を立てるというのが、なんとも悲哀が漂う。最終製品の販売競争の現場に立ち続けていては、勝ち目ないのは目に見えているわけで。KUROとかの技術を引っさげて、ディスプレイの技術ライセンスの提供業者とか、そういうサプライヤとして生きていくシナリオは描けなかったんだろうか。