なぜ彼らは態度がでかいのか
先週、今週と入社時研修を受けてみて、なんというか頭の中に嵐が巻き起こっている感じ。
- 自分のできなさ加減
- 精神的な圧迫感
については身にしみてわかった。
同時に、今猿ティング業界の人が何で態度がでかくなるのか、というか傲慢になるのか、という点について考えが変わってきた。
今までは
- もともと生意気な性格である・・・100%
と思っていたんだけど、もしかすると
- もともと生意気な性格である・・・50%
- 仕事で追い詰められる結果そういう性格になる・・・50%
と言うことかもしれない。だからといって態度がでかいとか、傲慢であることは仕方がない、とは思っていない。ただ、もともとは至極まともな性格を持った人でも、防衛本能というか、プレッシャーのコントロールのためにそれまでの性格がゆがんでしまうって言うのはありえそうな気がする。
というのは、普段の仕事で受ける精神的苦痛というかプレッシャーの種類が違うとわかったから。
- 例え判断材料がなくても、常に自分のポジション(白か黒か)をはっきりとる必要がある
- 論理矛盾が許されない
- お客さんの要求水準(大抵は自分が思っているより高い)に応える必要がある
- お客さんは大抵敵意を持った状態から関係が始まる
まあ、当たり前といえば当たり前なんだけど、こういう状況に常に晒されている職種ってそうそうない気がする。自分が言ったことについて、いちいち「本当にそう?」とか「なんで?」とか「他にないの?」とか、「それって一般論じゃないの」とか「何がいいたいの」とか「できるのか、できないのか、どっちなのって聞いてるんだけど?」とか敵意に満ちた詰問調で連発されると本当に滅入ってしまう。
他の職種の場合そんなことはないのか。同じような客商売の営業を考えてみると、ポジションはともかく、ロジックは常に必要とされているわけじゃないし、あまり多いと嫌われてしまう。人間味とか茶目っ気で勝負できる。例えばエンジニアだとどうかというと、判断材料が十分でないときは「判断できない」と言えば許される面があるし、そもそも要求水準というか要求されるエリアが「システム」に根ざしたところに限定される分、穏やかだと思う。
SEでもたまにそういう「痛い」シーンに出くわすことがあって、大抵は成す術もなく固まってしまって「次までに調べておきます」となってします。たけど、今はその圧迫感が日常的に続いている感じ。つまりいつも「痛い」シーン。その中心に自分がいる。これは非常に辛い。
今は研修なので、オーバーに圧迫してる面はあるだろうし、実際の経営者はそうしょっちゅう、ロジック詰め詰めで論破してきたりはしない。そんな暇はないから、ポジション取れない相手とかロジックエラーの説明は聞き流して「もう結構です」と言って終わる。で、後で電話がかかってきて「あいつはもう来なくていい」となる。面と向かって撃沈させられるか、後からレッドカードが飛んでくるかどっちか。
サービスサイエンスと言う考え方の体系があって、その中に「サービス業とは、生産と消費が同時に行われる」というのがある。コンサルティングっていうのは、まさにそれを地で行く職業だなと思う。で、サービスの品質を上げる。もしくは品質を一定に保つために、できるだけ事前に準備をする。資料を作って、ストーリーを作って、質問を想定する。
そういう「事前の生産活動」でカバーできる「消費」の内容はせいぜい半分くらいがいいところかと思う。残りの半分はその場で生産される。まさに「消費に応じる形で生産される」という感じ。例えばカウンセリングとかコーチングって言うのも、そういう世界かと思う。
まあ、随分とつらそうな仕事だな、ということはわかった。
けど
- どっかでバランスをとりたくなる
- おれはいつも大変なプレッシャーと戦っているんだ、という自負が心の支えになる
- おれはそんな世界ででもやっていける人間なんだ、と自分に言い聞かせる
- おれは偉い、と勘違いする
というロジックで態度がでかくなったり、傲慢になったりするのは正当化できないと思う。
そうならない方法もあるでしょ、と。そういうのを見つけていきたいなあ。