京王線が30分遅れ

23時すぎに新線新宿駅に着いたら電車が来ない。都営新宿線車両故障とのこと。しばらく待った後に、「次の電車は今九段下を出ました」とのアナウンス。そんな無茶な。後15分くらいかかるやん。

で、京王線新宿駅のほうに向かう。と、こちらもホームが人であふれている。時刻表ではそろそろ出発する時間なのに電車がない。しばらく待っていると「次の電車は今八幡山を出ました。あと20分ほどで新宿を発車する見込み」とのアナウンス。うひょー。

という感じで無駄骨をくった挙句に余計に待たされた。まあ、新線新宿から笹塚まで出ても、そのあとの乗り継ぎ便が来ないから結局同じだったか。

鉄道事業のバリューチェーン

で、さっきよりもより多くホームにあふれる人々を見て思ったのが、電車が来ないと鉄道会社ってのは無力だなということ。で、鉄道会社ってのにもサプライチェーンがありそうだな、ということ。

線路と言う流通網の上を車両と言う商品が運ばれていく。いや正確には商品は車両そのものではなく、その車両が持つ輸送能力とか何分でどこまで移動させる能力とかそういうものかもしれないけど、その媒体として車両がある。で、何かの拍子に流通網が途切れたり麻痺したりすると、たちまち商品が供給できなくなる。この流通網が非常に脆いというのがこの業界の1つ目の特徴で、商品の性能(どれだけ早く快適に移動できるか)と同じくらい流通網(線路の使用可能性)が重要ではないかと思う。

一旦商品の供給が滞ると、お店(駅)にはたくさんの客が並び、商品の到着を待つ。待ちくたびれて他の手段を探す人もいるけど、大抵は有力な代替手段がないので、待つ。そう、この業界のもう一つの特徴は、極端にスイッチングコストが高いということ。なので、例え商品の供給が一時的にストップしたとしても、それに伴う機械損失はたいしたことない。

月に2回も電車が止まったから、明日から他の電車に乗ろう、という選択が難しい業界なのだ。例えば京王線小田急がほぼ並んで走っているとはいえ、桜上水に住む人が明日から経堂から小田急に乗ろう、という選択はとりにくい。山の手線内はいざ知らず、相当の覚悟がないと通勤や通学の手段を変えよう、という気にはならない。普段の生活が、特定の鉄道会社を前提として成り立っているということだろう。

鉄道会社に対するスイッチングコストの高さ、という特殊要因があるために、弱い流通網があっても「改善しよう」というインセンティブが働きにくいのではないか・・・。とか思った。

それでも日本の鉄道は十分高い品質を保ってるよなあ、とも思う。安全対策の面で、無理に電車を走らせることなくハプニングの後は安全確認を優先しているのだろうとも思う。だけど、日夜生き残りにしのぎを削るサービス産業にあって、やっぱりなんか生ぬるいなあ、という気がしてしまった。