ソフトバンクケイタイ

ケイタイ産業というのに疎いけど、傍から見ると今日本で一番エキサイティングな業界のように思える。今までも面白い業界だったけど、ビジネスのスピードが早くてアイデアで勝負できるコンテンツ業界と、成熟化した日銭かせぎという事業モデルのキャリア業界という二つの業界の間に大きな隔たりがあるように見えた。が、最近それが新たな展開を見せている観あり。

そこにソフトバンクが参入。負債のかたまりのようなボーダフォンをもてあまさないのか心配していた。

で、ここにきてソフトバンクが考えるケイタイのアプローチが見えてきた模様。

http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/09/29/sb/

僕は今までケイタイと言うのをあまり使いこなせていなかった。ケイタイをいじる暇がない、とか、もはや若者ではない、というのもあったけど、なんとなく「そりゃ違うだろ」見たいな違和感があって、世の中が着歌フルだとか音楽ケイタイだとか言っているのに、未だに電話とメール以外使わない。

が、このソフトバンクの路線を見ると目からうろこというか、「今までの違和感」の正体が見えてきた。

これに対して孫社長は、「月々100〜300円払い、会員になって、3つ以上のコンテンツを使っている人たちがどれだけいるか。これまでの携帯電話のインターネットでは、何か見ようとすると、会員登録しなければならなかったわけで、面倒だった。これからソフトバンクのケータイでは、ニュース、天気予報、株価、占いなど、ヤフーのコンテンツがそろうことになる。これらはパソコンでは全て無料であり、それをケータイでも使えるようになる。有料のiモードEZwebのビジネスモデルは根底から覆せる」と話す。

あ、それだ。ネットでは普通に無料のサービスがケイタイだと有料になる。それが解せなかったんだ。ケイタイだろうとPCだろうと同じコンテンツを見るのに、チャネルが違いからといってタダと有料があるというのが、何とも気にくわなかったのだと気づく。

そのほか、「待ち受け画面をデスクトップ化する」とか「Y!ボタンでYahooに一発でたどり着く」だとか、何か今回のアプローチからケイタイ端末の新しい流れを作りそう。

さらに。ちょっと古いけど

http://www.thinkit.co.jp/free/news/reuters/0609/1/3.html

とかも、SB得意のファイナンス面での工夫がどれほど効果を上げるのか楽しみなところ。そもそも端末の初期費用と月々のランニングが発生するようなキャッシュフローのビジネスにおいて、割賦で初期費用を抑えるというのは、古典的なファイナンス手法で戦略プロフェッショナルにもその鮮やかな切り口が紹介されている。今までのキャリアが、不透明な販促費で初期費用を抑えてきたのに比べるとよっぽど正統派のやり口だと思う。

一連のニュースを好感して、株価もようやく上り調子。さあ、がんばれソフトバンク