出生届

役所に出生届を出しに行った。

出生届とは、役所に行き、その場で紙をもらい、記入して、提示すれば、完了するものだと思い込んでいた。
まるで印鑑証明かなんか届け出るのと同じように。

産まれてから2週間以内に出す必要があって、今日はもう10日目。週末はまた実家に戻るし明日は忙しいから、動ける日は今日くらいしかないのでちょっと焦っていた。

窓口で「紙をくれ」といったら、窓口の若い人にキョトンとされた。
「今から書くから用紙ちょうだい」というと「よ、用紙ですか」とか言ってなんか不思議な顔をしている。
「あのー、出生届の半分は病院で書いてもらう必要があるんですけど・・・」と。

思わず僕は
「え?何それ。ここで紙もらって病院にいって書いてもらって、また役所に戻って出さなきゃいけないの?こんなんじゃ2週間に間に合わないよね。まったく日本の行政のサービスレベルはいつまでたってもgdfjk・・」とか、朝の窓口でクレームつけまくる。

そこにベテランらしい人が困った子を扱うように「通常は病院が用紙持ってますから、退院する時とかにもらってるはずですよ。家にありませんでしたか?」と一言。

いいや、そんなものはなかったね。あったら初めから持ってきてる・・・興奮冷めやらぬ僕は独り言言いながら、内心不安になって一応家に帰って確認してみた。




病院からもらった唯一の封筒の中には、厳かに「出生届」の文字が。





失意の中とぼとぼと役所に戻った。
役所の若い人ごめんなさい。
そもそも2年前に一度出生届出したことあるんだよね。全然覚えてなかった。

見直すべきは行政のサービスレベルの前に、自分の記憶力だったってこと。