奨学金滞納

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071028/fnc0710282059000-n1.htm

旧日本育英会奨学金制度が削減の方向らしい。うへー。それは困るんじゃないか。

うちの経済環境はひどいもので、在学中ずっとこの制度の世話になった。去年全額完済したけど、借入から返済まで12年ほどこの制度と付き合ってきたことになる。

奨学金がなかったら大学にはいけなかったし、上の世代が返済した基金で下の世代が進学できるってのは、なかなか粋でいい仕組みだなと思っていた。

延滞が2000億というのが、どういうボリュームなのか、いつごろからそうなったのか確認してみた。

奨学金 延滞」でググって最初に出てきたのが某政党のHPだったので、ちょっと引いたけど、まあデータは載っていたので参考にしてみた。

奨学金/返すに返せぬ/「無職」「低所得」で滞納急増

滞納額:00年(1000億)からほぼ倍増(06年で2000億)
滞納者:05年時点で20万人弱(07年度の受給者114万人)
有利子比率:98年時点で24.5%、06年で66%と約3倍


奨学金の返済期間は15年程度なので、均すと滞納者は1.3万人/年くらい?と思うが、この数年で滞納額が倍増しているってことは、滞納者の割合もここ数年で急増しているということらしい。

驚くのは有利子比率がこの10年でほぼ三倍になっている点。

奨学金の審査で、年収基準とかが極めて低い場合は第一種でこちらは無利子で貸付する(僕はこちらだった)。年収基準が緩いのが第二種でこちらは毎年の貸付に利子をつけて返済する必要がある。

第二種の申請が大幅に増えたのか、第二種の審査基準を甘くしたのか、第二種の比率がこれだけ高まった要因は不明だけど、第二種利用者の増加と滞納者の増加が同じタイミングで発生している点だけを見ると、何らか関係があるのかもしれない。普通に考えると裕福な人々の利用が増えているのだから、返済率も上がりそうなものなのに・・・。

借りる側のモラルとか、返済の原資に充てる給与が減ったとか、そういう部分の話かもしれないけど、憶測の域を出ない。



いづれにせよこの流れで奨学金規模縮小⇒ゆくゆくは廃止、なんて流れにだけはなって欲しくない。

記事にあるとおり手数料払って保証会社に保証依頼するなり、民間の回収会社を活用して回収率を上げるなり、やめる前に打つ手はいくらでもあるはず。

全体として豊かな社会になったといっても、大学に通う金がなくて進学をあきらめる人もまだまだいるわけなので、こういう互助会みたいなしくみは何とか残していかないとと思う。