日立のHDD(その後)
なんとも残念なお知らせ。
そして
「HDD事業の売却を決定した事実はない」---HGSTも新聞報道に否定コメント | 日経 xTECH(クロステック)
またか。なんなんだい、このお決まりの展開は。
秋口の騒ぎの時は日立に敬意を表して応援していたんだけど。
正式コメントが「決定した事実はない」となっているので、検討はしているのだろう。実際株価も好感しているというのに、躍起になって否定しているというのは、まだ折り合いがついてないためか、すっぱ抜かれた意地からか。
折りしも数日前に、ダイアモンドで特集されていたりするし、誰がどう見ても売却しちゃうに越したことない。時期が遅すぎた、というのはあるけど、このままずるずるやるよりは、退路を断って交渉をまとめてしまうしかないと思うけど。
http://diamond.jp/series/industry/10006/?page=1
それに対して、同じ総合電機系の東芝が対照的すぎておもしろい。
「東芝とシャープがテレビ用液晶パネルで提携」との報道,両社がコメント | 日経 xTECH(クロステック)
こちらも今朝の日経にすっぱ抜かれたわけだけど。
東芝とシャープがテレビ用の液晶パネルに関して提携すると,日本経済新聞が2007年12月21日付けの朝刊で報じた。
本報道に関する本誌の取材に対して,シャープと東芝の両社は「検討しているのは事実。決まり次第,発表する」(両社広報)とコメントした。
うほ。なにこの違い。
さらに東芝は腹を括っていて。
「パネルは外部調達でも95%問題ない」,東芝の藤井上席常務 | 日経 xTECH(クロステック)
執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は、「液晶テレビ用パネルの生産工場を,自社で保有しなくても,テレビ事業に影響を与えない」とコメントした。
・・・
「以前に私が担当していた半導体の分野もそうだった。使う人がいれば,作る人がいる。外部調達だと,モノが手に入らなくなることを心配する人もいるが,すべてを外部調達に頼っても,95%は問題ないと考えている。パネルが手に入らずに,テレビ事業が立ち行かなくなることは,まずないだろう」
ここまで腹を括っているから、交渉中にすっぱ抜かれても泰然としていられるってことか。
HDDから話はそれるけど、昨日今日の液晶パネルに関する相次ぐ提携話には、松下と東芝の戦略の違いが明確に現れていて実に興味深い。液晶テレビという同じ製品の生産体制において、垂直統合にこだわって日立IPSを手に入れにいった松下と、水平分業で充分と判断して日立IPSを離れ、シャープに外部委託した東芝。
どちらが正しいかわからないけど、スタンスを明らかにして舵を切る明確さはさすが。
で、ここでも日立が何か受動的な立場に置かれていて、何かかわいそうになる。