最近読んだもの
1.犯人に告ぐ
- 作者: 雫井脩介
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/09/13
- メディア: 文庫
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殺人鬼、テレビを使った犯人との対話、とかいうモチーフが、宮部みゆきの模倣犯を思い出させる。あちらの方が満腹感が高かった。
2.パラダイムの魔力
- 作者: ジョエルバーカー,内田和成(序文),仁平和夫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1995/04/11
- メディア: 単行本
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これは前から読みたかった本。最近では「ゲームのルール」とか呼ばれることの多い「パラダイム」について、豊富なアナロジーを盛り込みつつ、解剖してくれている。
93年の出版ということで、日本経済の絶頂期のちょっと後に書かれている関係で、言及されている日本企業はどれも輝いて過大評価されている感もあるけど、当時のアメリカ人がなにに着目していたか、と言う部分では参考になる。
本に書かれている「トヨタ式生産管理にならって、中央集権から権限委譲へ、効率化より個人のモチベーション向上を、」という流れも一つのパラダイムだったんだな、という感じもするけど、いつの時代もシーソーのように両者の間をギッコンバッタンと行き来しているんだな、とぼんやり思う。
平易な文章で、一度読んだだけでもすっきりくるけど、きっともう一度読んでみないと真意にたどり着けないんだろうな、という感じ。
なんかよくわからないけど、きっと僕は「既存のパラダイムを理解してゲームに参加する」ことは、割と得意なんだろうなと思う。自分に経験のないことでも「あー、あの時のあれと同じ要領か。」と適当なアナロジーで解釈して無難にこなす。
自分が今までそれなりにうまく仕事をこなしてきたのも、今ひとつ弾け切れていないのも、きっとこの能力が影響している。で、そういう能力と言うかスキルって、どんどん価値が下がってるなあ、と実感。特に人をリードしたり束ねたりする時にはほとんど役に立たないんだよなあ。
で、もう一つの気づき。
『経営者が、新しいパラダイムへの参入を判断する時に、市場規模等のデータをそろえようとしても無駄だ。そんなものはまだないのだから。』『直観を信じて、十分な根拠なしに決断するしかない。』と言うのは面白かった。
が、本当にそうするしかないのかな??という気がして次の本へ。
3.イノベーションへの解
イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,マイケル・レイナー,玉田俊平太,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2003/12/13
- メディア: 単行本
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すでに古典となりつつあるこの本を本棚から引っ張ってきた。(amazonで売らなくてよかった。)
果たしてこの本が言う「破壊的イノベーション」とバーカーの「新しいパラダイム」が同義かどうか不明だけど、概ね同じようなイノベーションを指していると理解している。
今暇を見つけては再読中なんだけど、「勘を排除しよう」というクリステンセンの意気込みは伝わってくる。
4.日本の地下人脈
- 作者: 岩川隆
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 文庫
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いきなりとんでもない本。といか高杉良の本とか読んだ影響で。
主に第二次大戦前後の中国と日本をまたがる軍人や官僚やその取り巻きの人々が、陰に陽に戦後の日本の政治に影響を及ぼしているんだよ、というのをわかりやすくレポートしている。まったく知らない世界だっただけに目からうろこ。
5.日本人はなぜ戦争をしたか
日本の近代 猪瀬直樹著作集8 日本人はなぜ戦争をしたか (第8巻)
- 作者: 猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/07/01
- メディア: 単行本
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長らくウィッシュリストに入っていたものを正月の勢いでゲット。
上の本を読んでいたおかげで、登場人物の位置関係が把握できて理解が深まった。
日米開戦前夜に内閣直轄で中堅エリートを集めた開戦シミュレーションをやっていたんだよ、というのが主題。で、そのシミュレーションと言うのが、きちんとした数値と常識に裏打ちされたもので、
開戦すれば間違いなく長期戦となる。燃料などの物資量の差と、補給路の確保困難で日本に勝ち目なし。日米開戦はなんとしてでも避けねばならない。
という至極真っ当な結論を出したのだと言う。
当時は政府と軍部がどうしょうもなく右傾化して、国全体が周りが見えない状態になっていたんだろうな、と想像していたので、こんな真っ当な情報収集と分析ができて、それが内閣にきちんと報告されていた、というのがとても意外だった。
後半まだ読んでいないので、続きが楽しみ。
6.トップコンサルタントがPTA会長をやってみた
トップコンサルタントがPTA会長をやってみた?発想力の共育法
- 作者: 三谷宏治
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2007/12/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自分達社会人が率先して教育の現場にちょっかいださなきゃ、と思っているのでタイトルにつられて読んでみた。
が、「トップコンサルタント」も「PTA会長」もあまり内容に関係なく、教育に関する持論がつらつら述べられている感じでがっかり。
ただ、「持論」については、共感できる部分も多かった。特に
暇と貧乏こそが子供の発想を豊かにする
というのは激しく共感。マグネットパズルを使ったゲームを子供が考える件とかも実際やってみたいと思った。
PTAという独特の閉鎖的な世界に飛び込んで、どんな壁にぶつかって、どうもがいてみたのか、という先人の経験を期待していたので、次はぜひその内容を。
7.銀行窓口の向こう側
- 作者: 神保広記
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/12/22
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やっぱ銀行員の日常と言うのは面白い。奥さんの実家に帰ると義理の父の話を毎度夜中まで聞かされるんだけど、彼の銀行員時代の交渉術とか聞いてると、本当に惚れ惚れする。(武勇伝ばかりなんだけどそれでも勉強になる。)
「裏金の魔力に負けそうになったことがある」とか「情実融資に手を出したことがある」とか、かっこつけずに告白している著者に感服。