野茂引退

本当にお疲れ様。まさに英雄だった。

NIKKEI NET(日経ネット):野茂投手が現役引退決意 日米通算201勝

彼の父親は私と同郷の長崎の島育ち。何となく親近感を持って密かに応援していた。

1995年。私が大学に入って、一人ぼっちの寂しさと戦っていた頃、ちょうど野茂が大リーグで鮮烈にデビューした。石橋の場末の食堂で、学生がみんなテレビに釘付けになって野茂を応援しているのを見て、ちょっと誇らしい気持ちになったのを覚えている。

周りの誰もが無理だと決め付けたり、やめておけと引き止める中で、海の向こうに飛び出して行った姿は純粋に格好いい。引退について「本当はもっとやりたかった。悔いが残る」と未練たらたらのところもいい。

以前、この人かイチローかどちらかが言っていた。『普段子供に、夢を持て、できるだけ大きな夢を持て、とか言っている親が、いざとなると「現実を見ろ」とか「世間はそんなに甘くない」とか言って子供の足を引っ張るようになることが多い。人生に一度か二度しかない勝負時なんだから、子供を信じてやって欲しい』と。

いつか我が子が、誰もやったことのない無謀なことにチャレンジしようという時に、子供を信じてあげられるといいな。せめて足を引っ張らないように黙ってみておけるようにはしたい、と同郷の先輩の生き様を見て思った。