週刊東洋経済『日本人の「旅」大解明』

今週の東洋経済の特集がよかった。

週刊東洋経済2009年3月28日特大号 | 東洋経済STORE

鉄道、旅館・温泉 名物に格安ツアー
日本人の「旅」大解明

交通手段は変わっても、見知らぬ土地への憧憬は、昔も今も旅情を駆りたてる。

PARTⅠ【業界編】:
そのココロは「旅離れ」に非ず!

PART Ⅱ【地方編】:
自ら変わらなきゃ客は来ない

「名所旧跡を見て、温泉に入っておいしい料理を食べる」こと自体が目的だった時代から、旅という行為の目的が多様化している。旅に対する今までのパラダイムが通用しなくなっているのは、小説『ハゲタカ1・2』でも触れられていた通りだし、金融機関のお客様からも旅館業界の構造的な課題については聞かされることが多い。

こうしたパラダイムの転換に伴う試行錯誤は、たまたま宿泊業界にいち早く訪れたというだけで、サービス業全般に起こる可能性がある。

この特集からは、「客を温泉に入れて、宴会で騒がせて、寝せて、帰す」という今までの発想から、「旅という経験をデザインして提供する」ことが自分たちの価値なのだ、という発想へと、旅館のオーナー達が考え方を切り替えている模様や、絶え間ない悪戦苦闘ぶりがよくわかった。

そういう取り組みをしている人たちの宿に泊まってみたい、旅に出てみたい、と思わせる内容だった。

パート1のじゃらんの新人営業マンが、ペンションのオーナーからの相談に対して「オンシーズンに欲張ると失敗します」「(口コミの高評価に対して)まずやるべきは期待値調整です」という言葉はハッとさせられた。そんな含蓄のある新人が本当にいるのかどうかは別として、あらゆるビジネスに通用する考え方だと思う。

なによりパート2の最後に出てきた「花仙庵 仙仁温泉岩」に是非行ってみたくなった。

コツまでわかる国内観光旅行情報サイト|マップルトラベルガイド
http://www.hikyou.jp/nagano/seni/seni.htm

長野のかなり辺鄙なところにある雪深い田舎にある温泉宿。
くまのプーさんの名言「何しているの」「何もないをしてるんだよ」という経験を出来そうなすばらしい環境。
オーナーはまさに「顧客の経験をデザイン」している。IDEOのようだ。が、それを押し付けず、顧客にも気づかせないようなうまい間合いを実現しているように読めた。

ただ、この雑誌に取り上げられたので、さらに予約は困難か・・・。子供が大きくなってからでいいので、是非いつか行ってみたい。