反デフレ論争

先週からネットで反デフレ論争が巻き起こっていて、とても面白い。
金融政策なんていう地味で玄人好みの話題が、年末にかけて新聞とかでも盛り上がるかもしれない。

勝間和代さんは、なんかよくわかんないテレビとかにも出るようになって「この人どこに行くのだろう」とか思っていたけど、大衆を味方につけて日本を変えていこう、という戦略の1オプションだったのだな、とようやく理解できた。しかし、この人のバイタリティは常軌を逸したものがある。

11月5日の管さんへの提言(名プレゼン資料):
国家戦略室への提言「まず、デフレを止めよう~若年失業と財政再建の問題解決に向けて」- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

この1週間の総括:
「デフレ危機」論争について~勝間和代からのメッセージ- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

この提言をきっかけに、経済学者やブロガーが賛否入り乱れて論戦中の模様。
ある意味ネット上でこうして在野の人たちと権威の中の人たちが議論して、それが実際の政策に多少なりとも影響を与えるかもしれない、という状況は梅田望夫先生が待ち望んでいた状態なのかもしれない。議論の大半が揚げ足取りという話もあるけど、日本やればできるじゃん。

で、議論の行く末は素人なのでよくわからんが、結局今のところ「これをやれば確実に効果がある」という定説はないらしい。現状の認識もスタンスによって違うし、策を有効に実行するのも至難の業だし、効果の測定方法も難しい。確かに日本の潜在成長率がいくらいくら、とか言われても誰にも正しい数字なんてわからない。

どうせ正確で有効なロジックなんて探してもないんだろうから、何もしないよりは、とりあえずやってみた方が何倍もいいんじゃないかと思う。ギャンブルと言っても、仮説検証と言ってもいいけど、そういう何らかの賭けを今の日本は必要としているんじゃないかなと思う。民主党を選んだくらいだから。

政策の有効性を左右する要素として、一人ひとりの納得性みたいな側面は大きいから、自分達の腹に落ちるような過程を経てボトムアップで政策パッケージを作れれば、自分たちが何としてもそれを成功させるんだ、という主体性を持てて成功の確率は上がると思う。政策パッケージとしては、勝間さんが言うようなインフレターゲット+雇用創出+生産性向上というのは、わかりやすくいいと思う。2012年までの期間限定プロジェクトとして国を挙げて取り組むとかになれば、今の職を投げ捨てて馳せ参じたい。

ゼロ金利下で金融緩和して緩やかなインフレを実現できた日には、日本は世界の尊敬を我が物にできるはずだし、今の縮小均衡的なみみっちい雰囲気から脱却できると思う。