西武鉄道の臨機応変の対応
地震明けて初の平日が過ぎた。
普段は中央線のB面として、あまり世間に認知されていない西武新宿線が、東京電力のサプライズ計画停電に対して、臨機応変の対応をして、一人気を吐いている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110314/dst11031408320029-n1.htm
西武鉄道は当初、池袋線の池袋−練馬高野台、豊島線の練馬−豊島園、新宿線の西武新宿−鷺宮以外の運行を終日見送るとしていたが、午前4時20分に東電から急遽、電力を供給するとの連絡が来た。
このため、午前6時から午前10時20分ごろまでの間、池袋線の池袋−西武秩父▽豊島線の練馬−豊島園▽新宿線の西武新宿−本川越▽拝島線の小平−拝島▽国分寺線の国分寺−東村山▽多摩線(武蔵境−是政)で、本数を平常より減らして運行することを決めた。
これ自体は、なかり勇気を持ったいい判断だったと思う。当初予定していたプランだと、まともに動かない中央線沿線の住民も合わせて西東京の住民は通勤の手段を絶たれていたわけなので。
ただ、前の日の晩に発表していた内容と朝起きて駅に着いてわかった状況が食い違っていたので、鷺ノ宮の駅について若干面食らった。前の日の晩の発表では、鷺ノ宮→西武新宿の往復のみとのことだったので、
- 周辺駅から鷺ノ宮駅に大勢人が集まる
- ホームに人があふれて入場規制
- やっと電車が来たと思ったら、始発駅のはずなのに到着した電車がなぜか超満員
- 鷺ノ宮で待つ人々乗れず
- 駅の行列進まず
という悪魔のような時間が流れていた。電車が超満員だったのは早朝の計画変更で、本川越からの運行を決めて、所沢方面から中央線に乗れなかった人たちを大量に運んできたから。
帰りも、「夕方から21:00までは、鷺ノ宮駅どまり。21:00以降は、本川越まで行く」という、気持ちはわかるが、使う側からすると時間によって行ける先が違う難易度の高いダイヤを展開していた。
ある意味、東京電力の停電範囲に最適化しているダイヤなわけで、『停電にかからない時間帯は電車走らせます。』という男気が感じられる取り組み。
まあ、ちょっと混乱したけど、戦後初の試みの初日の滑り出しとしては想定の範囲内と思う。サービスを提供するほうも利用するほうも勝手がわからないので、試行錯誤して慣れていくしかない。
と思っていたが、
NIKKEI STYLE|ライフスタイルに知的な刺激を―日経の情報サイト
先ほど発表された西武鉄道の明日15日の予定を見ると
運行時間 終日
・池袋線:池袋〜練馬高野台
・豊島線:練馬〜豊島園
・新宿線:西武新宿〜鷺ノ宮※上記区間以外につきましては終日運休いたします。
とな。鷺ノ宮から先の運行は明日からやらんとな。
本日3月14日(月)の運行におきましては、東京電力計画停電に基づき、かつ通勤・通学のお客さま等への
輸送支援を最大限行なうべく、計画停電の変更に応じて、都度当社で出来うる限りの運行を検討し実施しました。
その結果、お客さまから一定のご評価をいただいたものの、以下の問題点について検討せざるをえなくなりました。・東京電力からの電力供給情報により、輸送サービスの変更を都度行なった場合、結果として、
安定的・一定的な輸送をお客さまに提供できない。
・帰宅時の対応が万全でない輸送は、結果として多くのお客さまが帰宅困難となる可能性が高まり
ご迷惑をおかけしてしまう。
・運転打ち切り終端駅において、降車された数百人規模のお客さまの線路内歩行を発生させてしまった事実があり、
運行状況が頻繁に変更となる可能性がある状況下、より一層安全を確保していく必要がある。
とのこと。「降車された数百人規模のお客さまの線路内歩行を発生させてしまった」とかいうのは、時間によって行き先が違うダイヤと直接の関係はなさそうなんだが。『複雑でわかりにくいと、トラブルの元だから単純化した』ということかもしれない。鷺ノ宮より西の人達、明日からどうするんでしょうか。