奥多摩へ

ryos_cafe2004-07-11


珍しく朝から慌しくおきだした。といっても10時過ぎている。
今日こそはどっか遠くに行こう。遠くといっても遠すぎない程度、夕方には家に向かって帰り始められるくらいの、そんなお手軽な日帰りドライブをしよう、と誓った朝だった。

今日は選挙の日でもある。実は今まで投票しなかったことはほとんどないほどの投票マニアの僕としては行かないわけにはいかない。そそくさと朝の支度を済ませてなんと12時には外に飛び出した。二人で住むようになってから、お出かけ出発の最速記録かもしれない。しかも今日は曇り空。珍しく雨降らないかも。

行き先は投票所。そしてその足で奥多摩へ。「何とか峠とか言う山梨の近くの峠から富士山に沈む夕日が見える」という幻想的な話をこの前会社の人から聞いた。そんな雲をつかむような噂だけを頼りに一路西へ向かった。
中央道は空いていた。八王子インターで降りて青梅方面へ。始めていく道なのでナビのいいなり。楽チン走行を実践する。ただ、このあたりから太陽の光が差しているのに雨が激しく降り始める。夕立みたいな雨だった。でもこんな雨はすぐやむはず。という経験則があるのであまりあわてない。

道は青梅の市外を抜けて、多摩川沿いの細い道になる。多摩川もこのあたりに来ると下流雄大さはなく、両岸に険しい岩場を作る野性味が出てくる。雨は激しさを増す。前が見えない。時速30キロぐらいの徐行でさらに上流への道をたどりつつ、だんだん無謀さを覚えてきた。こんな時は雨宿りしてやり過ごすべし。という神の声に従い、昼飯どころを探す。御岳山付近に釜飯や川魚屋の看板がいくつか見えるが、どこも車を入れずらそうで入り損ねる。このところ旅路の昼飯ではずれが多いのでついつい選び方が慎重になる。

[そば屋との出会い]

そうこうするうちに道は完全に山奥モードで、ご飯食べられそうな場所なんて全く途絶えてしまった。妥協してどっかに入ればと思う一方、すばらしい出会いをまだ期待する。とそこへ、「そば屋」の看板。おー、これだ!と直感的に思う。次のトンネル抜けたらすぐ左。と書いてある。そのとおりに行くと、トンネルの先の左手にまっすぐ坂道が伸びている。そば屋は・・・?どうやらこの道の先らしい。道が狭い。片側の路肩が土手になっていて、車一台分の幅しかない。そんな山道がどこまでも続く。延々5分ほど登ったところだろうか、ようやく人気のある建物と何台かの車を発見する。間違えてなかったんだ、思わず歓喜の声を上げる。そこには「ざるそば」オンリーのそば屋があり、中では童謡のCDがかかっている。周りにはリスのえさ箱があったりしてまさに森の中の店。味はまずまず。そばの饅頭が暖かくておいしい。店の名前も定かではありませんが。何よりたどり着いた喜びを与えてくれる秘境のそば屋を発見したことが収穫でした。
山を降りるころには嵐のような雨は上がり、きらきらと草花が輝いていた。

[多摩周遊道路]

その後もとの道に復帰し、平凡な国道を走ると大きな湖が見えてくる。奥多摩湖だ。そういえばこの日記の第一日目は多摩湖へのサイクリングだったっけ?今日はその兄貴分奥がつく奥多摩湖です。
でも多摩湖もそうだったけど奥多摩湖にもおりてません。湖といいつつダム湖で、つりとかは禁止だそうです。特に観光スポットらしきところもみあたりません。残念。

そのまま湖を見下ろす周遊道路を登ると途中に「山のふるさと村」なる施設に立ち寄る。このあたりで虫取りやハイキングをする時の起点になるスポットらしく、かなり親切なガイド資料が充実していた。いつものごとく、こういう場所に到着するのは夕方なので、どのコースにも参加できず今度また来ようという気持ちだけ持って帰った。子供づれだと一日楽しめそう。

このあたりの多摩湖周遊道路と呼ばれる道はその昔有料だったらしく料金所の名残とかがあるが、今は無料になっている。片側一車線でセンターにポールが立っているとっても手入れの行き届いた道だった・・・。が、その手入れの理由がはじめはわからなかった。

ちょっと上ったところの展望台から湖が見下ろせる。下で見ているうちは何の変哲もない池のような奥多摩湖だが、上から望むと濃い緑色が美しい。摩周湖の展望台くらい見事な眺めだった。

展望台の駐車場には漫画に出てきそうな車が一杯並んでいて、交代で爆音を唸らせつつ走り出していった。レビンとかシルビアとか普段町で見かけなくなったスポーツカーが生き生きとドリフトしている。確かにカーブが連続してアップダウンも激しいので絶好の練習場なのかもしれない。センターラインのポールもきれいな白線も走り屋の暴走を食い止めるための策だったか・・・。今のところ全く役立ってなさそうだが。

走り屋の合間を縫いつつ無事山を降りて中央道方面へ。まだ何もしていないようで、結構疲れた。

あれ?夕日に輝く富士山はどこ?という疑問を抱きつつ、上野が原のあたりで20号に合流した。あとはひたすら大原まで20号をぶっ飛ばすのみ。と思ったら新宿方面は時速2キロくらいの大渋滞。事故?規制?いろいろ考えつつ、高速代をけちって行列に並ぶものの、1時間経っても相模湖あたりまでしか進まぬ。いつもこんなもんなんだろうか?文句も言わず並んでいるのだからすばらしい忍耐力だ。このままどこまでものろのろ運転してもよかったけど、明日のことを考えて中央道に乗ってしまった。
守りに入った日曜日でした。

で、夕日に輝く富士山は、奥多摩湖までの道をさらに奥へ突き進んだ先にある柳沢峠というところから見えるそうです。事前に調べていけばよかった・・・