名残惜しい気はする。あいつが来たのは99年の冬。2000年対応に追われる日々にあいつを秋葉で買った記憶がある。三菱製ダイアモンドトロン。17インチ、重さ20キロ。当時はでっかくって重くって置き場所に困った。そしてその画面の美しさに心奪われたものだった。

いつの日だったろう。半年ほど前から突如画面が暗がりのようになった。はじめは配線やグラフィックカードを疑った。しかし犯人はあいつだった。画面の横をたたくと普通に戻る昔のテレビのような日々を随分と送ってきたが、そろそろお互いに限界のようで。

今日、クリスマスプレゼントとして液晶の画面を買ってもらった。5年の年を隔てた秋葉の街はすっかり液晶の天下。ブラウン管なんて店の隅に2台くらいしかおいてなかった。15インチで4万くらいかなあ、と思いつつ向かった街並みには、驚くなかれ17インチで2万円台のものまである。技術進歩のスピード恐るべし。メーカーもメルコやIOdataとか凡そディスプレイの技術をもたなそうなメーカーまで進出している。もはや汎用製品なのか。

隔世の感を胸に、必要十分そうなスペックで見た目も気に入ったイイヤマのものを持ち帰った。やったー。名残惜しさは横において、鎮座マシマスでっかい過去の遺物を机の上からおろす。さすが20キロ。ずっしりとした重みだ。それに引き換えイイヤマちゃんの軽薄なこと。意味もなく軽々と片手でぐるぐる回しながら机においてみる。コンパクト!机が2倍広くなった。そして電源とケーブルをつないでいよいよ電源オン。ついた!

我が家に初めて登場した液晶製品に映し出された「ようこそ・・・」の画面はいつもよりより青く輝いていた・・・

未だに名残惜しい気はする。しかしこれが人生だ。三菱君お疲れ様。ソフマップで第二の人生を探してもらうよ。