愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)を読み終わった。5月の連休に読み始めて1ヶ月もかかったよ。舞台は90年のはじめで、まだドイツが二つに分かれていたり、ソ連が崩壊してなかったりして時代を感じるわけだけど、何というか日本の立ち位置は今も似たようなものだなと思ったりもする。書かれたのは80年代後半の日本経済絶頂期だったりもする。

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

一つの時代を引っ張る国は、その時代に適応しすぎているがゆえに次の時代の主役にはなりえない。というくだりは、まさに今の世の中にも当てはまるし、これは国だけではなく会社なり個人なりにもあてはまるわけで。いわゆる成功体験と言って忌み嫌われる状態と通ずるものがある。


小説の中ではアメリカという前時代の覇者が、その統治の仕組みをより完璧にするために日本を散々苦しめている。確かに現実もそうなったのかもしれない。が、実は前時代に完全に適応しきっていたのは実はアメリカよりも日本の方かも知れない。アメリカの手先の振りをして目をくらませながら、そこそこよい場所取りに成功していた。

この小説から20年近くが経って、そのころから日本もアメリカも世の中も明らかに変わった。今も得るもの多くさすがに村上龍と思わせられる。いつの間にかアメリカの相手は日本から中国に変わってしまった。日本はこのままイギリスになってしまうのか。この小説では反乱を起こす日本とアメリカが妥協し、日本の代わりにイギリスがシステムのいけにえとなっていた。次の作品が楽しみだ。


暑い一日だ。入梅したというのにこの暑さは何だ。
奥様が際物のジンジャーエールを買ってきてくれた。http://www.asahiinryo.co.jp/wilkinson/contents/lineup.html。飲む。これはうまい。のどがガォーッと熱くなってうまい。前に下北のhttp://www.interq.or.jp/happy/kiyoto/Tokyo@Cafe/ordinaire.htmで普通にジンジャーエールを頼んだらこれが出てきた。ジュースと言うよりしょうが汁炭酸入り。と言う感じ。甘くもなく炭酸と生姜のインパクトが強烈。もう一本あるので喉を痛めたときに飲んでみよう。

いい加減やれよ、と言われて風呂の掃除をする。引っ越して3ヶ月弱。もう汚れがこびりついちゃって。先が思いやられるなあ。