Cheap Revolution

梅田さんのいうCheap Revolutionはてなブックマーク - Cheap Revolutionに関するumedamochioのブックマークってのは、どういう類のもんだろう。

特に企業の情報システムをとりまくITの世界にこのチープ革命はどう響くのか、自分の事だけに気になってしょうがない。日本の企業の情報システム部門はおそらく世界で一番保守的である。新しいことを好まない。新しい技術の方向が定まり、業界の流れが見え、技術が枯れて、枯れて、もう枯れ果てて乾ききったころにようやく使い始める。それほど保守的である。だから企業のデータセンターを覗くとどっかの博物館でしかお目にかかれないようなレアなマシンがごろごろしている。

僕らのようなITベンダーのビジネス3要素といえば、ハード、ソフト、サービスの3つである。この3つをいろいろと組み合わせつつ、手練手管を駆使して、世界一保守的なお客様とビジネスをしている。そんな保守的な環境において、今後世の中で進むであろうITのチープ革命ってのがどう展開するのか、そこを知りたい。

ハードへのチープ革命の波はハードの価格性能比が上がったのは簡単に理解できる。今やIntelベースの10数万出せば買えるマシンでほとんどの商用システムを動かすことができる。この変化はこの2,3年特に顕著だ。今まで当たり前のようにベンダー製のUnixをインフラ(締めて数千万円也)として考えていたようなシステムであっても、IAベースのLinuxインフラ(安ければ数百万)をまじめに検討する風潮になってきている。今まではそうはいかなかった。なぜだろう。

2年ほど前だったろうか?Unixの中くらいの(4CPUくらい)マシンで動くシステムを再構築する際に、プラットフォームの比較を実施した。4CPUのUNIXと4CPUのIA(Windows)サーバー。僕らみたいなベンダーが比較資料を作ったということもあるが、結果はクラスタリングの安定性や運用管理の既存資産を有効に使える分で価格の格差を埋められると言う判断でUNIXの圧勝だった。今これをやるとどうだろうか。

何か臨界点のようなものを超えたのだろうか。まあベンダーでH/Wの売り上げに依存するSEとしては危機感を感じずにいられないがこれが現実だ。こっちがやらなけりゃ他社がやるだけだ。もちろん一朝一夕にデータセンター中がIntelサーバーに埋め尽くされることはない。高価なメインフレームUNIXサーバーも今後数年は新規に導入されることもあるだろうし、低価格化の波がサーバーほど急激でないストレージやプリンターやネットワーク機器もある。だがハードの分野はすでに勝負ありの感がある。

これまでムーアの法則による供給側の価格低下を需要側のさらなる性能向上要求で補ってきた。より早くよりたくさんの処理を要求されていて、供給側がそれにこたえ切れなかったためにハードベンダーは利益を享受でき、いつの時代もハイエンドマシンは高い利益率を維持してきた。IAサーバーでほとんどの商用システムが動くようになったなあ。と言う感想は、今までの均衡がが終わりに近づいているシグナルかもしれない。クリステンセンのコモディティー化の分水嶺を越えたのかもしれない。



ソフトの価格低下というのはハードに比べると緩やかでわかりにくい。