今日のNikkeiMagazinに竹中平蔵のインタビューが載っていた。熱かった。和歌山の田舎侍、じゃなくて田舎経済学者が天下に蔓延する抵抗勢力と丁々発止の議論を経て一つの政策を実現する。それがどんなに厳しいか、どんなに辛い思いをしているか、何か伝わってきた。もともと一橋にいったのは近代経済の第一人者がいたから、とのこと。僕はこの人がいると聞いて大学を選んだ。僕が入ったときにはもういなくなっていたが。

その中で、既存のエスタブリッシュメントにいかに対抗していくか、その難しさが語られていた。奇しくも梅田さんがその本で「モノを良く知っていて、いろいろな経験をつんでいてるが、正常な反射神経が鈍ってしまって未知なものにネガティブな発想をする「古い日本人」」と一刀両断した人々のこと。竹中さんは彼らエスタブリッシュメント層(かつ既得権益者層)を「discourage」と言う言葉で表現している。いわゆる「出る杭をたたく」ということ。「discourage」からは何も生まれないのに、と。大きな会社にいると、20代のうちからこの「discourage」の洗礼にさらされて、気が付くと自分が率先して出る杭をたたいている。他人の発想や企画について、どうすればうまくいくか、ではなく、欠点や弱みを探して「だからうまくいかない。もっと慎重に」と。何もしなければ今よりは悪くならない、という前提に根ざした考えだ。確かにそこからは何も生まれない。そして前提が変わろうとしている。

竹中さんのすごいとこは、「cool mind, but warm heart」の原則と平易な言葉で、魑魅魍魎の既得権益層と真っ向勝負しているとこ。そして今のところ彼らといい勝負している。とにかく叩かれても倒れない杭のようだ。小泉さんの後ろ盾があるとはいえ、これってすごい。