坂の上の雲

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)


この一ヶ月ほど携わっているプロジェクトのことがやっとわかった。ここはニ○三高地に面した乃木将軍の前線基地だったのだ。次々と新しい戦力が投入されては、ロシア軍の火力の前に木っ端微塵にされてしまう。長期間にわたって双方にらみ合ったまま打開策がない。そんな中、精神論に基づいて戦力の逐次投入を繰り返すために、味方の損害ばかりが膨らんでいく。

そう、まさにそんな感じ。

となれば話は簡単で、児玉将軍が登場すればよい。戦艦から大砲を引っこ抜いて運んできたり、前線基地を敵の目の前にしたり、情報をかき集めたりしながら、思い切って形成を逆転するプランを考える。そして実行は、一点突破主義でやる。

全体のバランスなんか考えてちゃだめ。共倒れになる。とにかくどこか一点で相手の裏側まで突き抜ける必要がある。相手の期待を大きく上回るだとか、どこかで実績を作ることに専念するとか。

例えそのために戦線を縮小する必要があるとしても、追加で兵力の増強が必要だったとしても、思い切ってつぎ込む。そういう児玉将軍のような役割が必要だ。今必死に誰がその役を演じられるかを探し回っている。

そして坂の上の雲をもう一度読み返すことにした。