ユンディ・リ

ピアノの音楽というのがどうも苦手。ピアノ独特の威張った感じとか、逆に残響の残りまくったメローな感じがどうにも好きになれずに、なんか体が受け付けない感じで、聞いていてもすぐにやめてしまっていた。というか、ピアノ曲に限らずピアノ的な曲についてはすべてダメだった、という感じかもしれない。ベートーヴェンモーツァルトショパン・・・。

その後会社に入った頃に、グールドを聞き始めてバッハだけなら何とか聞けるようになった。その後も、モーツァルトベートーヴェンもグールドの演奏に限って聞ける感じだった。人によってはさんざんにけなされてる、超スローなトルコ行進曲だって全然普通に聞けた。バッハのピアノ曲と同じテンションで、同じストイックさで弾いてるからかもしれない。

モーツァルト:ピアノソナタ集

モーツァルト:ピアノソナタ集

ついでに他の人のも聞いてみたけど、やっぱりいけない。残響を多分に含んだ甘ったるい感じにどうしても拒絶反応。

ただ一方で、未だに異端児として見られるこのグールドの演奏でしか、あまたのピアノの名曲に出会えないのは、ちょっと悲しいな、という思いはあった。(特にモーツァルトとか)

で、時は流れて僕も一ちょ前にベートーヴェンが聞けるようになった。理由としては良い演奏に出会ったというのもあるけど、ベートーヴェンのイメージが変わったというのもある。それまでの冷たくて完ぺき主義者としてのカラヤンベートーヴェン像から、当時の世のフロントランナーであり、権威への挑戦者であった人間味あふれる存在のクライバーベートーヴェン像へのイメージが変容していった。そんなイメージのもと、この人の演奏を聞くと、なるほど人間味があっておいしく聞けた。

で、この流れで幅が広がるかな、と思って、畑違いのショパンに手を出してみた。

ショパン・リサイタル ユンディ・リ/デビュー

ショパン・リサイタル ユンディ・リ/デビュー

ユンディ・リ。デビューは2001年だったらしい。縁がなくずっと聞く機会がなかったけど、案外すんなり聞けた。ショパンのアルバムで初めての経験。ノクターンであれば、今までも何枚か聞いたことがあったけど、すべて気が合わずにお蔵入り。でも今回は違いそう。

で、さらに。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番

苦手だったベートーヴェン+ピアノの王道。これ聞けると一人前なんだろうけど、どうだろう。