フォーレ:レクイエム

秋らしくなってきた。帰り道にキンモクセイの濃く甘い匂いがする。

フォーレ: レクイエム

フォーレ: レクイエム

フォーレのレクイエム。これがとてもよい。秋の夜長に聞くにはうってつけの音楽。モーツァルトのレクイエムが「悲しみのレクイエム」であり、ヴェルディのレクイエムが「怒りのレクイエム」だとすれば、このフォーレのレクイエムは、さしずめ「祈りのレクイエム」といったところか。

まず、全編を通して強奏というのがない。陽だまりに包まれたような何とも暖かな印象が作品の全体を支配している。編成にはトランペットとトロンボーンが含まれているらしいけど、その音を聞き分けることが難しいほど穏やかな起伏の中で曲が進行していく。

オーケストラ曲と言うよりも、完全に合唱曲+伴奏にオーケストラもついています。という感じの曲。こういうエリアの曲になじみがないだけに、とても新鮮な気持ちで聞けた。