NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」をみた

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070111/index.html

久々にいい番組を見た。ガイアの夜明けなんてかすんでしまうような力作。普段は全然見ないけどNHKのそこ力を見た気がした。

番組と言うか、村松弁護士に恐れ入った。すさまじいプロ精神。ドラッカーが、アンディーグローブが口々に説く「プロフェッショナル」とはこういうことか、と目からうろこが落っこちた。

企業再生を手がける弁護士として、再建の見込みも定かでない企業の債権者に債権放棄をお願いしに行く時の気持ちというのは、どんなに追い詰められた心境なのか、想像がつかないものがある。”窮地を救うのは正直””未来を語って同じ方向を向いてもらう”という真っ向勝負で挑む姿には戦慄を覚えてしまう。番組では、この人のひたむきさや正義感振りが強調されていたけど、その前に弁護士としてや、企業再建のノウハウに関して相当の腕前があることは間違いない。これだけの高い能力と責任感を持つ人は、往々にして自信過剰になるだろうし、どこかでその自信が崩れると共に途方もない自己嫌悪と自信喪失に陥ってしまうか、それを認めまいとして変な方向に自分を守る姿勢になる(箱に入ってしまう)だろうとおもう。この人のように、一流のスキルを持ちながら、なお目の前の仕事に正直にひたむきに取り組むなんてことは、常人のできるところではない。

アンディーグローブは経営者には企業家精神と共に「高い規律」が必要だとのたまったが、「規律」とはまさにこういう人の持つ能力のことだと思った。一流の能力を持ち、あわせて一流の規律を持ち合わせる。プロフェッショナルとはそういう存在なのかもしれない。

自分には能力も規律も全然足りていない。


#あと、エンディングのスガシカオの名曲、かっこよかった。