年賀状

今頃になって年賀状が届いた。というのも一旦昔の住所に送って不在で戻ってきたのを再度送ってくれたものだった。差出人は僕の父親の先輩。長崎で父と同じく英語の先生をしていた。父が亡くなって久しいけど、結婚の報告をしたのをきっかけにここ数年欠かさずに賀状の返事をいただいている。こういう人生の先輩からのメッセージと言うのはありがたいものだなと思う。

僕は今年の年賀状に


今年はイノシシ年だけど、
『猪突猛進するんじゃなくて三歩進んで二歩下がる』
ようなのんびりとした一年にしたいなあ


みたいな事を書いてた。


すると、その返事として

Like the bear,
Go forward with all your strength!
Never retreat!

”全力をもって前進しなさい。後退なんて考えるな”

と激しい檄文をいただいた。御年70歳近くだろうか。なんというエネルギー。のんびりする暇があったらもっと前に進みなさい、と。そう言われると胸にグサっと来るものがあるけど、悪い気はしない。イノシシが嫌ならクマになれというのが微笑ましい。

そういえば、会社に入ってそれなりに年が経って、自分のやり方が決まってくると、他人のやり方にいちいち口出しすることも、逆に他人から口出しされることも少なくなってきたなあ、と思う。自分を批判されたり忠告されたりする機会ってすごく少ない。だからそういう人が一人でもいてくれるというのは、その人の財産であるようにも思える。この先生は僕の財産なんだな。

もっとも、そういう視点で周りを見渡すと、頼めば忠告をくれそうな人は案外回りにいることにも気づく。茨城の義理の父とかね。気が付かないうちにたくさんの人と出会って、いろいろな財産を手に入れたのかもしれない。

じゃあ、今年はまだ始まったばかりだし、熊の如くなってみるか、と心に誓った。