VWのTSIエンジン

こういう発想こそがイノベーションなのだと思った。

フォルクスワーゲン・ゴルフGT TSI(FF/6MT)/TDI(FF/2ペダル6MT)【海外試乗記】 日本で乗れない高性能 - webCG

ドイツで去年発売された時の試乗記事だけど、日本でも発売になったらしい。燃費とかに関しても詳しい情報が出ている。

【VW ゴルフ GT TSI 日本発表】ライバルと燃費を比較する | レスポンス(Response.jp)

1.4リットルのエンジンなので基本的に燃費はいい。が、パワーはない。なのでスーパーチャージャーとターボをつけてパワーをアシスト。結果燃費が良くて170馬力もあるエンジンができた。

170馬力というとDセグメントクラスの車に乗るエンジンだ。今乗っているアテンザと同じレベル。それで1.5倍くらい燃費がいい。ターボについても高回転域でいきなりドッカーンと爆発するターボじゃなくて、低回転をスーパーチャージャーが補っている。

エンジンに限らず、自動車の世界ってとにかく技術主導という感じがして、新しい技術を押し付けられる感じがとても強い分野だと思う。ほら、新しいテクノロジーを積み込んだから、使いなさい。みたいな。

で、最近は、とにかくパワーを追い求めた300馬力の車か、とにかく燃費を追求したコンパクトカーか、みたいな極端な二元論に陥っていて、残りはどっちつかずの中途半端な集団になっているように思える。世界の産業の代表格ともいえるビッグネームが莫大な金をかけて研究開発しているのに、なんともつまらない。

このVWのエンジンも、コンセプトは燃費とパワーのどっちつかずの代表格のように思えるけど、「Bセグメントの排気量でDセグメントのパワーを出す」、という発想はいいと思う。こういうのはきっとウケると思う。使っている技術自体は、どれも新しいものではないと思うけど、その組み合わせの妙というものがある。ジェフリー・ムーアのイノベーションのタイプの中にこういうイノベーションが定義されていた気がする(名前は忘れた)。

リッター14キロという燃費自体は、ちょっと中途半端だけど、これから続々とこのコンセプトがまねされていくうちにスペックは上がるだろう。ここに新しいエンジン作りの道が切り開かれたように思うけど、どうだろう。