オーディオ

今日人と話していて、団塊の世代マネーで往年のオーディオ業界が潤うのでは?という話で盛り上がった。

確かに団塊世代とオーディオブームはリンクするっぽい。が、あの分野って10年1日見たいな気もする。「1台100万とかのアンプとかスピーカーっていうのがベンチマークとしてあって、日本のメーカーはそれを小さく安くすることだけを生きがいにしている」みたいな姿勢。あと、電気屋の売り場の一見客を寄せ付けない閉鎖的な雰囲気・・・。コアなマニア向けの斜陽産業というイメージがどうしてもある。

が、一方でiPodとネット配信が音楽の裾野をどんどん広げて、「外で楽しむ音楽」と「PCで楽しむ音楽」の敷居はどんどん下がっているらしい。その延長で、「PCがないところでも聞きたい」「もっといい音を聞きたい」と言う流れからオーディオ製品に目が向くのは自然かもしれない。

オーディオメーカーのたゆまぬ努力

最近は、昔のミニコンポみたいなのにiPodクレードルがついていたり、HDDが入っていたりして、それなりに変わってきているらしい。

確かにすごいのがある。

ハイコンポサイズの“HDオーディオPC”――オンキヨー「HDC-1.0」 - ITmedia PC USER

これなんて、まるでPC。Core2Duoが入っている。コンポの振りをしたPCということか。

退化する音楽性に終止符を!――HDオーディオPC「HDC-1.0」発表 - ITmedia PC USER

オンキョーってどうにもぱっとしないなあ、と言う印象だったけど、案外がんばっている。が、画面の前に座って音楽聞くシチュエーションってそんなに多いんだろうか。個人的には、PCのファンの音と一緒に音楽を聞きたくはないけど。音質を求めて高い金払った人に騒音を聞かせるのはどんなもんだろう。まあ、きっと静かにする工夫はあるんだろうけど。

あと、これなんか面白い。

「HDDコンポ時代」の幕開けを告げる1台、ネットジューク「NAS-M90HD」 (1/4) - ITmedia NEWS

ipodもHDDもUSBもネットからも音楽が取り込めるし、CDやMDというレガシーメディアも使える。こんなの学生時代にあったらかなり楽しい毎日になっていた気がする。

ピンとこない

が、もう学生でもないし、MP3をわざわざでっかい音で聞くのもなあ、という感じ。それにこれらの製品は団塊むけじゃないし。ヤング向けだ。

となると、団塊マネーを狙った製品と言うのは、やっぱ1台100万とかの旧態依然とした製品群なのか?ちょっとそれじゃぴんとこない。そもそもそういう超ハイエンドな製品ってどこで聞くんだ。防音室とか地下のオーディオルームとかそういうところか?いくら段階マネーがあると言っても、住む家は変わらないし、オーディオのためにリフォームする層って言うのは限られている。せっかく100万出して買ったアンプの音量も10のうちせいぜい1か2くらいしか使わずに、お隣や家族に迷惑をかけない程度の音量でしか楽しめない人が大半じゃないかと思う。

フェラーリを買って永福から新宿まで渋滞の中を買い物に行くようなもんだ。4000ccのエンジンの10%も使っていないみたいな。前から憧れてたし、注目度高いのでフェラーリにしました。という殊勝な人ならいいけど、宝の持ち腐れ的に金を使ってもしょうがない。

なので、僕は前から小さい音量でも真に迫った音が聞けるようなオーディオというのができないものかと期待している。「真に迫った」というのがどういうものかあいまいで自分でも良くわからないけど、6畳間で隣の住人から苦情が来ない程度の音量で聞いても「おお、今までと違うじゃん」という感動があるような音。だろうか。ますますあいまいだ。

まあ、超ハイエンドの縮小版ってことじゃなくて、狭くて小さな音で聞くことをはじめから意識した独自の分野でクォリティーを追及すれば、それなりに高くてもかう人は多いと思うけどなあ。BMWの5シリーズは買えないので、同じコンセプトで安いマークXを。みたいな選択肢しかないんじゃつまらない。小さくてもブン回るアルファの147とかトヨタのブレードみたいなのも面白いし。コンパクトにはコンパクトなりの面白みがあるだろ、みたいな。

というか実はこういう世界は本当によく知らないので、実は100万のアンプを買うと小さな音で聞いても感動するんだよ。という話かもしれない。けど、少なくともお店で音を聞く限り、うちで使っている6万くらいでかったDENONのコンポから聞こえる音と合計数百万のオーディオシステムから聞こえる音に圧倒的な違いが見出せない。といいつつお店でもじっくりこしをすえて聞いたことはないけど。

まあ、それはそれで幸せなのかもしれないと言う気もする。

ハイエンドオーディオの復権 (1/4) - ITmedia NEWS

とかでは、超ハイエンドのオーディオマニアの方が

圧縮音源は確かに手軽ですが、音質的には絶対的にベースバンドにはかないません。私は圧縮を強めた音を聴くと、いてもたってもいられない不安感、焦燥感を感じてしまいます。

とか言っている。僕はベートーヴェンのCavatinaをMP3でイヤホンで聞いても十分感動するし、特に不安や焦りは感じない。なのでこの人よりも楽しみが多いと言えるかもしれない。(ちょっと違う気もするけど)