専用機と汎用機

なかなか面白いインタビュー。

「感覚的なよさ」を目指すソニーのオーディオ (1/2) - ITmedia NEWS

ソニーのオーディオ部門のヘッドの吉岡さん。ストリンガーの「サイロをぶっ壊せ」改革のおかげかどうか知らないけど、最近ソニーの創業以来の看板であるオーディオ部門が元気になってきたといわれているらしい。(個人的にはよくわからんが)

この人は、以前ソニエリのケイタイとかVAIOと家電をつなぐプロジェクトとかをやってて、本丸のオーディオ部門に来たらしんだけど、

PCを持ってはいるけれど、音楽を聴くためにPCを利用するのは面倒だと思っている人は、こちらが思っている以上に多いものですね。

とか

PCの存在を否定するわけではありません。汎用機であるPCにはもちろんそのよさがありますが、ウォークマンとしては音楽を楽しむ専用機、スタンドアロンのデバイスとしての存在感を高めていきたいのです

とかいうあたりに着目しているところが面白い。

ずっと以前から「すべてのAV製品はPCに代替されるのでは?」とか「PCをメディアサーバーとして家の中心に位置付けて、あとは入出力デバイスのみという時代がくるのでは?」とかいう話があったと思う。

実際PCのテレビチューナーとか5.1チャンネルサウンドボードとかついちゃってきているし、MediaCenterなんてOSも登場している。PCの汎用性やアップグレードの容易性を考えると、今までのように数年おきに家電製品を買い換えるなんてばかばかしいじゃない、という時代が来るようなきもしていた。

それに対して、この人の視点というのは、「専用機はPCとちゃんとすみ分けて今後も生きていけるんじゃない?」というもので、多少は社内的な立場を意識しているとしても、なかなか重みがある。実際、オーディオのヘッドになる前はPCと周辺デバイスのシームレスな連携とかを手がけていたわけで。

あと、最近巷で話題の「PCに愛着がある世代って実は狭いんじゃ?」という話を踏まえても面白い。PCを毎日ツールとして使っていて、かつそれが苦にならない世代って、今の20代〜30,40代くらいで、それより下はケイタイで十分と思ってたりするらしい。で、ケイタイで十分な人々は「PCって正直面倒くさい」と思っている。(と、今週のSPAにも書いてあった。)


遠距離移動手段が馬車から鉄道になった如く、情報収集とか用事をこなすツールはPC使うのが当たり前、とか思っていたけど、PCはケイタイに取って代わられて、ケイタイに収まらないクォリティを必要とするオーディオやビデオは専用デバイスが担う。という世界になる可能性もあるかも、とか考えさせられた。

個人的には、PCになれた世代がケイタイに移行するのは結構壁が高いように思える。ケイタイの勢いは今がピークなのかもしれないし。

このあたり、5年くらい経てばもうちょっと整理されているのかな?
「汎用機としてのPC」 vs 「ケイタイ+専用機」でガチンコに勝負するのか、それとも第三のデバイスが登場するのか。