パーヴォ・ヤルヴィのドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」&第8番

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」&第8番

うわさのパーヴォ・ヤルヴィを聞いてみた。この人、あのネーメ・ヤルヴィの息子。経営者だと世襲した息子は×。と相場が決まってるけど、音楽家ってのはそうでもないのか。エーリッヒとカルロス(クライバー)、ルドルフとピーター(ゼルキン)とか。というより、芸術家らしく父と子で全然違う世界を志向している場合に二代続けて大物になるということか。

で、息子たるパーヴォ・ヤルヴィは今、ブレーメン古楽器演奏集団と共にベートーヴェンに取り組んでいて、このCDはベートーヴェン全集の一枚目らしい。

古楽器演奏というものに、今まで手を出さずにいたのは、ヴィブラートのないあののっぺりとした弦楽器の音色と妙に生々しい管楽器のアンバランス感が苦手だったから。

が、このオケと指揮者の演奏を聴くと、古楽器案外いいねと思った。
特にベートーヴェンを快速テンポで駆け抜ける様は爽快。ヴィブラートがない分、ダイナミクスを広めにとってメリハリをつけたり、アタックをしっかりつけて勝負していたりして、なんとも清清しい。ヤンソンスとかジンマンとか、当代のチャレンジャー達は、こういう爽やかなメリハリがめちゃくちゃうまい。
若い頃のベートーヴェンのやんちゃな交響曲第三番が蘇ってくる感じ。

ヴィブラートないので主旋律が目立ちにくい分、対旋律や中音の裏方パートが妙に間近に聞こえてきたりして、そのあたりも面白い。

次も聴いてみたい。