ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学


つい目に留まったので読んでみた。この人の本を読むのは実は2冊目。一冊目は高校生の頃だった。鈴鹿のオートバイ8時間耐久レースにチーム紳助がずっと出ていた頃の本。

風よ、鈴鹿へ (小学館ライブラリー)

あれから随分時が経った気がするけど、この人は相変わらず元気一杯でびっくりしてしまう。気が付くと50を超えているらしい。そういえば笑福亭鶴瓶も55とか6とか言ってたな。年取ってもやんちゃな関西人というのは見ていて元気になる。


で、本の中身はいきなりビジネスの話。この人、本業は芸人で副業としてビジネスをやっている。そのビジネス歴も25年というから生半可じゃない。副業なので儲けは第一目的ではなくて、事業を暖めて、立ち上げて、実を結ぶ過程が面白くてたまらん、という。本業だけやるのに比べたら、十倍しんどいけど、百倍面白いから、サラリーマンのあなたもやってみなはれ。みたいな事が書かれている。

僕はこの人好きなのですっと読んでしまった。事業の立ち上げ方のセオリー(成功してるのは100軒中1軒だけ、業界の常識を疑え、やるからには関係者全員がハッピーになる仕組みを作れ、例え裏切られても許せるくらい惚れ込んだ人じゃないと一緒にやっちゃいかん)はそこらのコンサル以上に説得力に満ちている。この人芸人にしとくのもったいないよ。

が、他人のために一所懸命になれる人を見つけろ(そういう人は自分のために働く時はもっと力を出せるはずだから)とか、顧客満足の先に従業員満足(まずやってる人たちが生き生きしてないと客は喜ばないから)とか、そういうメタな部分については、ちょっとついていけんかった。恐らく僕のメタな感受性の問題だろう。

この人の考え方としては、こういうメタな部分がまず先にある。この素晴らしい仲間達と何かやりたい。やるからには事業として成立させたい。という思考順序なんだと思う。それがあるとないとでは、その後の事業の意味が随分変わるな、とは思った。