指一本の執念が勝負を決める

指一本の執念が勝負を決める

指一本の執念が勝負を決める

産業再生機構トップだった冨山さんの本。もう一冊の方が有名かもしれんが、かなり印象深い一冊だった。
前半では、日本には明治維新に次ぐ革命が必要だ!とかいってていきなりドン引きしてしまったけど、中盤以降は読み応えあり。

ボスコンを一年で辞めて、先輩と一緒に会社を興して、会社の金でMBAとって、と順風満帆の青年時代の後に、「仕事がない。社員に払う給料がでない。」というどん底期も体験している。ケイタイショップの黎明期に大阪でどぶいた営業をこなしながら社員を食わせた時代があったとかいうくだりは見もの。戦略コンサルとかかっこいいこと言ってても、キャッシュフローが回らないと会社は死んでしまうってことを身を持って体験したと。

あと、「会社のあるべき方向性なんてマッキンゼーあたりに頼むとさらさらっと出てくるけど、それにどんだけ意味があるのか」とも。

戦略的な合理性だけで組織を引っ張っていけるのか、そういう合意をとれて、主流派を形成できるのか、シーソーをバッタンと反対側に倒せるかどうか。それこそが勝負だ

と。現実のリーダーは改革をやろうとした瞬間から、内からも外からもめちゃくちゃ叩かれる。そのつらさは一度その立場でやってみるまではわかりにくい。だから失敗した企業を指差して「あいつらは頭が悪いから失敗した。」とかいうのは不遜である、と。

そして、そのストレスに耐えきれないと思う人は企業のリーダーにはならない方がいい。

これは繰り返し読むべき本かも。
ちなみにもう一冊は未読。