資産形成

富山さんの話を読んで、「そういえば自分の人生における失敗ってなんだろな」と考えた。いくつか浮かんだけど、確実に失敗だったと思うのは、資産形成のこと。というか資産運用のこと。

この間、証券会社をやめてヘッジファンドに参加することにした、という友人の話を聞いた。この2ヶ月くらいヘッジファンド解散相次ぐ!とかいうニュースもあって心配してたんだけど、日本株一本なのでほとんど影響ないとか。むしろ荒れ相場こそ自分達の出番とばかりに鼻息は荒かった。

で、客はM$以上の資産家とのこと。顧客の中には、まだ30代とかの資産家もいると言っていた。ヘッジファンドに運用を委託するほどの金を持っている人ってのは、どんな人なのか想像もつかん。大抵は仕事しないでゴルフとか旅行とかしてるらしいけど、そんな毎日って楽しんだろうか?(充分楽しそうだが)。まあ、その立場になってみないとわからんのだろう。

で、自分にそんな状況が訪れるだろうか、と思うと、これは間違いなく「ありえない」。

大学の頃とか、会社入ってスグとか(ITバブルだったし)、「もしかしたらなれるかも」くらいに思ったことがないわけじゃない。今ではまったくもってありえないことがわかる。資産運用のスタートダッシュに失敗したからだ。

資産をたっぷり持つにはいくつかの道があると思う。

  • 相続する(もともと家が金持ちで資産を譲り受ける)
  • フローで稼ぐ(毎月の給与・ボーナス)
  • ストックで稼ぐ(貯めた金を運用する)
  • 一発あてる(ギャンブル)

自分の場合、まず「相続」と「一発あてる」が落選した。大学は奨学金一種を受けて通ったし、ギャンブルに賭けるほど夢想家じゃない。

で『フロー』と『ストック』。
フローで若くして充分に稼ぐには、職種がかなり限定される。今だと外資金融とマスコミくらいだろうか。外資金融については、「転職して2年でお台場のマンションをキャッシュで買った」とか「ボーナス6000万だった」とか、もはや都市伝説化してる話題に事欠かない。まあ事実らしい。が、自分はそれらから除外されているので、月々のフローでパーっと資産を形成できるような人生は期待できない。なのでこの道も閉ざされた。

最後に残るのがストック。ここが自分の勝負エリアだと思って、ここ数年がんばってきたわけだ。
キャッシュが莫大ではないとはいえ、それなりに貯金はできる。これを投資で運用して年々積み上げると20年もすれば大化けする。はずだった。

たとえば500万の貯金があるとする。これを年に7%で回すと・・・。(7%というのがすでに怪しいが)・・・なんと10年で1000万。さらに10年で2000万。実際は、最初の500万に加えて、フローからの貯金が元本として充当されるので、40台で5000万くらいの資産は築けるだろうと思っていたりした。若かったなあ。

で、株を始めて7年ほど経つが。確かに元本はちょくちょく充当されたものの、結局自分がつぎ込んだ金と運用後の時価が、なんとトントン!

利回りゼロパーセント。

途中に大負けも大勝もあった。が、ここぞという時に高値掴みしたり、売り損ねたりして、さらにそこから学ぶところがまったくなかった。未だにテクニカル分析ファンダメンタル分析の違いもわからん。というか、何度聞いても頭に残らない。まあ、自分には株の目利きはむりだったってことだ。

そういえば、入社してすぐに先輩に言われたなあ。
「君は商売人の懐刀として成長しそうだけど、自分で商売するには向いてないだろうなあ」
先輩、あなたは正しかったよ。

まあ、話としてはよくある話だけど、まさか自分がこんなに向いてないとは思わんかった。
で、この株投資の金も11月にはマンションの頭金として充当される予定なので、投資資金も一旦清算。ストック長者の夢ははるか彼方に消え去って、住宅ローン長者として再スタートを切ることになる。

次は借金と仲良く資産を形成する中年投資家でも目指してがんばろうか、とも思うが、やっぱり自分で目利きするのはやめようかなと思いはじめた。それが失敗からの教訓。