子供と富士山登山。ただし5合目から6合目のみ

34歳の記念に富士山に登頂してきた。いや、登頂ではなくて途中で引き返したので単なる登山か。
5合目までは車で登ったことがあったので、そこから子供たち(5歳と2歳)と歩いて行ける所まで行ってみることにした。

今日も夏休み後半の天気を象徴するような快晴。平日の中央道は空いていて2時間くらいで富士スバルラインの5合目付近に到着。

途中の樹海見晴台より。

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5合目のレストハウスに着くと、高原の観光地そのものの様相。前に来たのが秋で氷点下かと思う強風の最中だっただけに、ずいぶん違う印象を受けた。観光バスの多さと中国からの観光客の多さにびっくり。

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5合目の段階で、下界とは10度以上低いようで、Tシャツ1枚でちょうど適温。風が吹くとちょっと肌寒いくらい。登り口付近の馬の集合スポットも見て、コウちゃんもテンション登り調子。

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昼ごはんを食べて、いよいよ登り始めると、眼下に広がる富士五湖周辺の平野がすばらしい。入道雲とその影が平野に映る。この景色がずっと続くと思っていた。

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途中、「雲は何でできているか。どんな味がするか。」という論争に対して、娘が「あれはワタアメでできている。よって、甘い。」と言い張ったので、実際に雲を触って確かめることになった。通過する雲めがけて突進する二人。結果、「雲はしょっぱかった」と言う結論に至った。それは、指の汗の味だと思うが、子供達の実験の結果なので尊重したい。

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「5合目から6合目は歩いて30分くらい。」とネットで見た情報を鵜呑みにして、30分ほど歩いた。ここまではなだらかな斜面を平穏無事に歩いている。が、まだ6合目らしき箇所は見えない。ここらへんで二つの変化が起きた。

その一。霧が立ち込めてくる。しかも半端なく。ちょっと前まで「わー、雲だー」とか「雲、動いてる。早いよー」とか言ってはしゃいでいたけど、気がつくと周りがすべて真っ白でちょっと先の道がどうなっているかすらわからない。

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その二。急な斜面かつ滑りやすい砂地。大の大人が、木の杖やスキーのストックを手に行き来していた理由がわかった。5歳の上の子はともかく、2歳の下の子はずるっ、ずるっとずっこけまくっている。しかも奥さんは安定期と言え身重の身体。無茶だったな、と気づく。

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霧が晴れるまで休み休み、だましだまし、先に進んで、1時間10分かけてなんとか6合目に到着。

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時間的に2時を過ぎていたのと、天候がよくないこともあって、6合目の事務所にいたガイドさんに「この辺までにしてください」と念を押される。6合目→7合目は、今までの比じゃないくらい過酷そうなのでここから下山を始める。

歩いて30分ほど経ったところで、それまで何とか持っていた天候がついに崩れて、土砂降りの大雨に。軽装で何の準備もない家族4人は途方にくれて、ちっちゃなレジャーシートを奥様がかぶり、下の子をおんぶして、上の子は小走りで残りの道を5合目のレストハウスまで敗走。まさに全身ずぶ濡れの大失敗。34歳の将来を暗示する出来事となってしまった。聞くと、このところはずっと晴れが続いていて、こういう天気は今シーズンではめずらしいとのこと。

下りは、途中10分くらい雨宿りをしたのをカウントしても、50分くらいで到着した。下の子はおんぶされて半分眠っていたけど、上の子はママのことを気遣ったりしながら、よくがんばってくれた。

レストハウスでタオルを買って、身体を温めていると、いやあひどい雨だったなあ、とか思っていたら、いつの間にか雨はやんで、ずっと曇って見えなかった山頂が顔を出した。山の天気の酷薄さを初めて実感した。

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