最近の笑顔

上の子と真ん中の子の会話
(お父さんとお母さんに扮したごっこ遊び中)

姉「ちょっと出かけてくるから」
弟「どこ行くの?」
姉「保健センターにね、母子手帳もって行かないといけないの。」
弟「え、なんで?」
姉「保健センターにね、母子手帳もって行って、お水もらうの。赤ちゃんの。ペットボトル3本ね。杉並区が配ってるから」

水をもらいに入った経験が、相当印象深かったのか。最近は二人して一日中なんらかの劇を繰り広げている。


上の子はもう幼稚園の年長さんということもあって、今回の地震のことを大体理解できている様子。「計画停電」や「予測不能な大規模停電」とか言う言葉にも敏感に反応していて、「ママ、このコンセント抜かなくていいの」とか「パパ、電気消えるかもしれないから早くお風呂から出て」とか、かなり真面目にこの国の未来を心配している。幼稚園が休みで、テレビばかり見せすぎという話もある。

その言動は微笑ましいけれど、子供ながらに小さな胸を痛めているように見える。先日はこんな談話を発表していた。

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読めた人はなかなか理解力がある。「と」と「う」がまさかの鏡文字。たまに「よ」も。しかも、リフレイン。文面をママに教わったのか、新聞の全面広告を元にしたのか不明。


テレビをつけると、ポポポポーン!の連発と言うこともあって、我が家でも流行中。「ポポポポーン!はお化け。悪い子を見つけると、おなかをポポポポーン!とたたきに来る」という話になっている。

心配性の長女に比べて、真ん中の子はまだ天真爛漫と言う感じ。
その大物長男が去年お化けを描いたのがこれ。

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お化けだけに目が3つ。微妙に口元が微笑んでいるのがお化けとしての余裕をあらわしていてなかなかの佳作。実はその隣で青のクレヨンで書かれたいったんもめん風の奴のほうが、こっそり隠れているようで怖い。

上の二人を尻目に、三番目の子も虎視眈々と我が家での存在感をアピールしつつあって、あなどれない。

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ちび3号「にこっとできるようになったよ。」

トラブルシューティング

福島の原発は、電源回復→冷却機能回復による早期の終結という先週時点の楽観シナリオは潰え、少なくともあと1ヶ月程度は収束に向けた結末が見えない展開と考えたほうがよさそう。門外漢なので何の役にも立たないのが歯がゆい。

地震津波が想定外という段階を超えて、電源喪失によって原子炉の動き自体をコントロールすることはおろか、何がどうなっているのか、これからどうなるのかさえ想定できない状態になっている。

何かを隠しているのでは?とか、正確な情報が知らされないとかいう話が多いけど、まずは問題の根源を収束させることにフォーカスすべき。

世界が震撼!原発ショック悠長な初動が呼んだ危機的事態国主導で進む東電解体への序章 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

の記事が正確なのであれば、最前線の現場指揮官は信頼できる方のよう。

福島第1原発の現場責任者は、吉田昌郎執行役員発電所長である。その陣頭指揮は光っていたようだ。「吉田所長は勇敢で現実的だった」と政府関係者は言う。

「放水作業のなか電線工事をすることは作業員の安全を確保できるものではなかった。何が起こるかわからないからだ。本店と現地は何時間も議論した。本店は『自衛隊の放水は止めてもらえ』とまでなった。だが吉田所長が『やる』と判断した」

現場の指揮官が機能しているのであれば、現場判断である程度の対応を取れる裁量を与えてほしい。これまで経験したことがないトラブルへの対処なのだから、現場レベルでは当然トライアンドエラーの連続になる。それを許さない状況であれば(現場と本部の関係は往々にしてそうなってしまうが)、必要なタイミングで必要な手立てが打てなくなってしまう。

東京の外野がやるべきことは、事態収束に向けた方向性を定めることと、実行に向けて彼らが存分に動きやすい環境を作ること(基本方針の伝達、物資調達、技術支援、広報活動)に専念すべき。

最早2,3日で何かが解決する段階ではなくなった以上、ある程度腰をすえてやるほうがよい。何をどの順番でやって原子炉を抑え込むかという、今後1ヶ月程度の工程表を作って、それを全員が共有した上で、事に当たれば、当事者も周辺の方々も、僕らのような外野も予実の把握ができるし、あらぬ疑念の余地もなくなる。

もちろん、「何がどうなっているのかすらわからない」状態なので、工程表の計画通りにことが運ぶとは限らないけど、当事者の意図を共有することだけでも意味があるし、詳細不明な中でも事柄の蓋然性とその対処法を考えれば、自ずと計画の選択肢は絞り込めるんじゃないかと思う。(僕自身は想像できないが)

特に、事態収束に向けて、今のような対処療法ではない思い切った処置をする場合、その時に備えた周辺の安全確保は外野がやっておくべきこと。

退避区域を30キロ→50キロに広げると、郡山、福島、いわきという30万都市がいくつも対象となる。(政府が退避範囲を広げない理由はここにあるような気がしているが。)彼らが一度に退避しようとすれば、それこそパニックになる。100万人が一度に移動する手段など持ち合わせていないし、移動する先はどこだ、何ヶ月滞在するのか、と言う話もある。福島の方々の生活と仕事を一時的とはいえ、すべて移動させることの難易度は想像を絶するものがある。工程表を共有する段階で、周知・避難までのリードタイムを作るのは当然として、相当な準備と合意形成の取り組みが必要になる。

福島には仕事でもお世話になった方がいる。去年の秋には家族で旅もした。危機的状況が1ヶ月続くという稀に見る事態を、どうすれば乗り越えられるのか。自分にできることが何かないか考えたい。

西武鉄道の臨機応変の対応(3/15編)

計画停電二日目の3月15日。今日も西武鉄道はやってくれた。

前日夜の時点では

運行時間 終日
池袋線:池袋〜練馬高野台
豊島線:練馬〜豊島園 
新宿線:西武新宿〜鷺ノ宮
※上記区間以外につきましては終日運休いたします。

としていたものの、午後に入って、池袋線練馬高野台小手指まで、新宿線は鷺ノ宮→上石神井までそれぞれ行き先を遠くまで延ばしてくれた。

新宿線は、鷺ノ宮→上石神井まで4駅分伸びただけなので、行きも帰りもガラガラだったけど、池袋線は埼玉方面まで一気に運行範囲が広がったおかげで、帰りの池袋駅はかなり込み合ったらしい。

午前中は西東京や埼玉の人々は西武線全滅だったわけで、出社したい人々は、縦方向に中央線まで南下して乗車して新宿方面を目指したようで、中央線では座っている人の上に立っている人が覆いかぶさるほどの混雑ぶりだった模様。
そういう意味でも、池袋線をずっと奥まで走らせた西武電鉄はさすが。

昨日の夜は、「ちょっとやりすぎたな」と反省した模様だったけど、一夜明けて「もう一肌脱ぐか」と男気が戻った感じ。実際のところは、電力会社との優先供給の話がついたからなのだろうが。

そして、注目の16日のダイヤは。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110315/dst11031522220168-n1.htm

西武鉄道によると、西武池袋線をはじめ、新宿、秩父、豊島、狭山、西武園、国分寺、拝島、多摩湖多摩川の各線は通常の4割程度の本数で運転。全列車が8両編成の各駅停車となる。「大変な混雑が予想される」として、時差通勤・通学を求めている。

なんと全線で運転。本数は通常の40%。
「大変な混雑が予想される」にもかかわらず、なんとも大胆な選択。

使用できる電力量が決まっているなら、短い区間を頻繁に往復するより、本数が少なくても全駅カバーしたい。どうせ全員を満足させられないのであれば、痛みは平等に。という判断か。

公式ホームページを見ると。

3月15日(火)・16日(水)の運行について(3月15日21:30現在)

運行(初電車〜11:30頃まで)
  
  池袋線 西武秩父線 豊島線 狭山線 新宿線 西武園線 国分寺線 拝島線 多摩湖線 多摩川
  (以上10路線の各全線) ※すべて各駅停車

ぱっと見て「11:30まで」というのが、23:30のことだと思ったら違った。

◎ 3月16日(水)の11:30以降の運行計画につきましては、現在、策定中です。決定次第速やかに、お知らせいたします。

なんと午前11:30のこと。「昼以降はまたその日の状況で考えますわ」と。このノリは大事にしてほしい。ということで明日も西武電鉄の臨機応変対応に期待。ご担当者の方、毎日大変でしょうががんばってください。

西武鉄道の臨機応変の対応

地震明けて初の平日が過ぎた。

普段は中央線のB面として、あまり世間に認知されていない西武新宿線が、東京電力のサプライズ計画停電に対して、臨機応変の対応をして、一人気を吐いている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110314/dst11031408320029-n1.htm

西武鉄道は当初、池袋線の池袋−練馬高野台豊島線の練馬−豊島園、新宿線の西武新宿−鷺宮以外の運行を終日見送るとしていたが、午前4時20分に東電から急遽、電力を供給するとの連絡が来た。

 このため、午前6時から午前10時20分ごろまでの間、池袋線の池袋−西武秩父豊島線の練馬−豊島園▽新宿線の西武新宿−本川越▽拝島線の小平−拝島▽国分寺線国分寺−東村山▽多摩線(武蔵境−是政)で、本数を平常より減らして運行することを決めた。

これ自体は、なかり勇気を持ったいい判断だったと思う。当初予定していたプランだと、まともに動かない中央線沿線の住民も合わせて西東京の住民は通勤の手段を絶たれていたわけなので。
ただ、前の日の晩に発表していた内容と朝起きて駅に着いてわかった状況が食い違っていたので、鷺ノ宮の駅について若干面食らった。前の日の晩の発表では、鷺ノ宮→西武新宿の往復のみとのことだったので、

  • 周辺駅から鷺ノ宮駅に大勢人が集まる
  • ホームに人があふれて入場規制
  • やっと電車が来たと思ったら、始発駅のはずなのに到着した電車がなぜか超満員
  • 鷺ノ宮で待つ人々乗れず
  • 駅の行列進まず

という悪魔のような時間が流れていた。電車が超満員だったのは早朝の計画変更で、本川越からの運行を決めて、所沢方面から中央線に乗れなかった人たちを大量に運んできたから。

帰りも、「夕方から21:00までは、鷺ノ宮駅どまり。21:00以降は、本川越まで行く」という、気持ちはわかるが、使う側からすると時間によって行ける先が違う難易度の高いダイヤを展開していた。

ある意味、東京電力の停電範囲に最適化しているダイヤなわけで、『停電にかからない時間帯は電車走らせます。』という男気が感じられる取り組み。

まあ、ちょっと混乱したけど、戦後初の試みの初日の滑り出しとしては想定の範囲内と思う。サービスを提供するほうも利用するほうも勝手がわからないので、試行錯誤して慣れていくしかない。

と思っていたが、

NIKKEI STYLE|ライフスタイルに知的な刺激を―日経の情報サイト

先ほど発表された西武鉄道の明日15日の予定を見ると

3月14日(月)および3月15日(火)の運行について

運行時間 終日
池袋線:池袋〜練馬高野台
豊島線:練馬〜豊島園 
新宿線:西武新宿〜鷺ノ宮

※上記区間以外につきましては終日運休いたします。

とな。鷺ノ宮から先の運行は明日からやらんとな。

本日3月14日(月)の運行におきましては、東京電力計画停電に基づき、かつ通勤・通学のお客さま等への
輸送支援を最大限行なうべく、計画停電の変更に応じて、都度当社で出来うる限りの運行を検討し実施しました。
その結果、お客さまから一定のご評価をいただいたものの、以下の問題点について検討せざるをえなくなりました。

東京電力からの電力供給情報により、輸送サービスの変更を都度行なった場合、結果として、
安定的・一定的な輸送をお客さまに提供できない。
・帰宅時の対応が万全でない輸送は、結果として多くのお客さまが帰宅困難となる可能性が高まり
ご迷惑をおかけしてしまう。
・運転打ち切り終端駅において、降車された数百人規模のお客さまの線路内歩行を発生させてしまった事実があり、
運行状況が頻繁に変更となる可能性がある状況下、より一層安全を確保していく必要がある。

とのこと。「降車された数百人規模のお客さまの線路内歩行を発生させてしまった」とかいうのは、時間によって行き先が違うダイヤと直接の関係はなさそうなんだが。『複雑でわかりにくいと、トラブルの元だから単純化した』ということかもしれない。鷺ノ宮より西の人達、明日からどうするんでしょうか。

無事

一家全員無事です。

会社から自宅までの16キロを歩くのに4時間以上かかった。皇居あたりや靖国通りあたりはすごい人だったけど、交互にぶつからないよう左側通行のルールが自然と出来上がっていて整然としていた。途中おにぎりとかカイロとかの差し入れをもらったり、町内会的な人たちが電車の運行再開情報を逐次教えてくれたりして、心温まるものがあった。

電力の供給不測はかなり長期化しそうな感じ。できるだけ電気を使わず、不要不急の活動は避けるのが吉か。

福島の原発の中で命がけで働いている人達を心から尊敬する。

アンドレシフ

今やっているEテレの芸術劇場、シフのベートーヴェンソナタ

http://www.nhk.or.jp/art/

公演コーナー(1) 「アンドラーシュ・シフのベートーベン」

ハンガリー出身の人気ピアニスト、アンドラーシュ・シフが日本のファンに贈るベートーベン最後の三つのピアノ・ソナタのリサイタルをお送りする。
幅広いレパートリーの中でも、バッハ、モーツァルトシューベルトシューマンなどドイツ・バロック時代からロマン派の作品の演奏と解釈に定評のあるシフ。特にベートーベンは、2004年から4年をかけて、ピアノ・ソナタ全曲チクルスのリサイタルとCD録音を達成し大きな話題を集めた。3年ぶりの来日公演では、もっとも円熟味を感じさせるであろうベートーベン最後の三つのピアノ・ソナタを披露する。

<予定演目>
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109 (ベートーベン)
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110 (ベートーベン)
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111 (ベートーベン)
<出演>
アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
<収録>
2011年2月20日(日)東京・紀尾井ホールで収録予定

今年は年始からあわただしくて落ち着く間もないけど、家に帰ってこういうのを聞けるとうれしい。

32番が楽しみ。