長崎エビッツ、五島列島で74台のEVをレンタカーに

この間ニッポンレンタカーが発表していたけど。

ニッポンレンタカー、長崎・五島列島の福江島でEVレンタル開始 - cafe@永福

ニッポンレンタカーでは2台とのことだったけど、実は全部で74台もの電気自動車が五島にやってくるらしい。

長崎エビッツ、74台のEVをレンタカーに | レスポンス(Response.jp)

「長崎EV&ITS(エビッツ)」プロジェクトの一環で、世界遺産候補が集中する長崎県五島列島にEVレンタカーを始め100台の電気自動車を走らせる。これだけ多くのEVが、限られた地域に集中して投入されるのは、世界的にも珍しい。

狭い五島列島で100台なんて正気の沙汰じゃないな、と思ったので、ちょっと調べてみた。

http://www.pref.nagasaki.jp/quali_offer/2009102202/

国が主導する電気自動車とITSの社会実験に長崎県が手を上げて立ち上げた「長崎EV&ITS(エビッツ)」プロジェクトというのがあって、その施策の一つとして、世界遺産候補地である五島列島に電気自動車を集中投下する、ということになった模様。

昨年の秋に企画書が発表されていた。

別添4「五島の未来へ、長崎EV&ITS(エビッツ)」
(PDFファイル)

企画書を見るとなかなか面白い。スイスのアルプスや白川郷のような自然豊かな地域を訪れる観光客には電気自動車でしょ、というノリの模様。導入理由にある「離島はガソリン代が高くて困っている」とか「離島の有効求人が壊滅的」とかいうのは、こじつけもはなはだしいが。

車の少ない五島にITSなんて不要・・・とか前に書いたけど、例えばバッテリー残量に合わせて、カーナビが近くの充電施設をガイドしたり、次の観光地に向かう船や飛行機のスケジュールをリアルタイムで反映した観光ルートをセットしたりというのは、実現すれば面白い。(実際、船の便というのは、遅延や欠航が発生しやすい・・・)

気になるのが、プロジェクトコストの全額が自治体の負担だという点。地元や事業主がまったくリスクをとらない仕組みに見える。企画段階で、電気自動車100台+充電施設でざっと7億が予算計上されていて、今回74台を配置するとのことなので、満額とはいえないまでもかなりが予算承認されている模様。

五島のレンタカー総台数280台に対して74台ということで4分の1が電気自動車になるわけだけど、そのうちどれほど稼動するのか、せっかくの注目の機会を観光客数増加や商機にうまくつなげられるのだろうか。

お上のやっていることだから、ということで地元が冷めてしまわなければいいけど。数年後に駐車場には潮風を浴びてさび付いた大量の電気自動車が並んでいた、という光景だけは見たくない。

今度、地元にいる姉ちゃんに様子を聞いてみよう。あと、帰省したら絶対借りよう。